第12回全国イタリア料理コンクールで優勝しました~プロローグ~

2021年末、日本のイタリア料理界において大変明るいニュースが飛び込んできた。

『ガンベロロッソ Gambero Rosso』といえば、ご存知の方も多いであろう。イタリアのグルメ専門出版社が毎年発行する、イタリア国内にあるイタリアレストランガイドである。
そのガンベロロッソの国際版、つまりイタリア以外の全ての国にあるイタリアレストランを対象とした『ガンベロロッソインターナショナル Gambero Rosso International 』2022年版 ”TOP ITALIAN RESTAURAN AWARD” にて、アルマーニ/リストランテ銀座が初登場にして最高位の3フォークを獲得し、世界中のイタリアンレストランのトップ20に選出された。
更に、同アルマーニ/リストランテ銀座のエグゼクティブシェフであるカルミネ・アマランテ氏が、世界でたった1名にのみ贈られる ” The chef of the year ”に選ばれるという、ダブル受賞という快挙を成し遂げた。

一見、ボルゴ・コニシと全くかけ離れたきらびやかなこのニュース。ささやかに関わっているとすれば、シェフが自分の結婚式で着たスーツがアルマーニだったことくらいだ。もちろんレンタルだったが、当時25歳の若造には早いのでは、と思いつつも勧められるまま着て、あまりの心地よさに驚いたのは良い思い出になっている。ジャケットなど買うときは「あの時のスーツが一番良かった。」と言う。そりゃ、そうでしょ。だがしかし、そうはいかんよ、君。

人生とは不思議なもので現在、25歳の当時全く予想していなかった日々を送っている。

リストランテ ボルゴ・コニシ オーナーシェフとなった山嵜正樹は、2021年11月25日㈭東京で開催された在日イタリア商工会議所主催『第12回全国イタリア料理コンクール』にて優勝、及びオリーブオイルの使い方が最も優れていたシェフに贈られるJapan Olive Oil Prize賞をダブル受賞したのだ。
そのコンクールの審査委員長を務めたのが、冒頭のアルマーニ/リストランテ銀座のエグゼクティブシェフであるカルミネ・アマランテ氏 その人だった。

*コンクールにおけるカルミネ・アマランテ氏のコメント*
”イタリア料理の大切なことは、自分の創造した料理を自分の独自の芸術作品として誇りを持ち、常にテーマやコンセプトにこだわって、自分自身の言葉で語ることができる正真正銘のイタリア料理を作ることだ。今回は、甲乙つけがたい若手のイタリアシェフたちの熱い戦いであった。いろいろな工夫を凝らしたものも多かったが、王道のリゾットのスタイルを独自のセンスで際立っていた山嵜シェフに栄冠を与えた”

審査委員長 アルマーニ/リストランテ銀座 エグゼクティブシェフ 
カルミネ・アマランテ氏と

今までの人生で最も嬉しいお言葉をいただいた。感無量である。

2007年の創業以来、縁あってイタリア料理店を奈良で営んでいるわけだが、イタリアからすれば外国人が外国でイタリア料理を提供するという、日本特有と言っても過言ではない状況である。だが、その美味しさや素晴らしさ、楽しさを知り、気づけば生業になってしまった。
そうなったからには責任を負うことになる。
心掛けていることはただ一点。イタリアの文化や伝統料理、食文化と真摯に向き合うことだ。想像力を働かせイメージを膨らませる。もしイタリア人シェフなら奈良でどうするだろう。

イタリア文化に関する書籍やレシピ、キッチン用品やYouTubeの調理動画、オペラ、美術展、デザインや建築、アート作品、洋服、テキスタイル、皮製品。彼らのセンスの良さにはつくづく感心し感動を覚える。そのセンスは表層的な派手さがないことも多く、一見地味なことさえある。しかし、どこか本質的な心の豊かさを感じさせるようなセンスの良さを感じる。奈良にもそのようなところがある。それを自分の料理に反映させてきた。
できた料理が自己満足ではなくイタリア料理として成り立っているのか、その答えを出してくれるのがイタリアワインだ。

こうして日々試行錯誤してきたことが、イタリア人のシェフから評価いただいたことで、これで良かったのだと自信につながり今後の指針ともなった。

さて、優勝の副賞としてアルマーニ/リストランテ銀座で1週間の研修を受けることになった。短い期間ではあるが、アマランテシェフの料理哲学を通してイタリア料理の本質を垣間見たいと思っている。

*研修期間中3月1日㈫から10日㈭まで、臨時休業致します。