知りたい!!日本酒 その1

先日、ソムリエ協会主催のセミナー「ソムリエとして”知るべき”日本酒。そしてワインとの比較」に行ってきました。

私にとって日本酒はワインと比べると、材料は米と米麹、製法もシンプルなはずなのに、香り、味わいが蔵元によって多種多様で、なんだか奥の深そうな、しかしわかりにくい謎めいたお酒、というイメージがありました。セミナーを終えてみると、製法による、香り、味わい、厚みの違いから、まるで日本料理に合わせて日本酒のフルコースをいただいた様な体験をさせていただきました。その楽しい発見をお伝えできればと思います。

尚、以後”日本料理”や”コース”などと表記している私の妄想日本料理は、一般的な京料理の流れ 「八寸」「造り」「御椀」「焼物」「揚物」「焚合」「酢の物」「蒸し物」「御飯、汁、香物」を参考にしております。家庭料理は、”和食”として区別しています。

初めの日本酒は、

獺祭(だっさい) 純米大吟醸酒 「磨き三割九分」(山口県)

”純米”と名乗る時点で、醸造アルコールなどは添加されていない、米と米麹のみで造られていることを示します。”吟醸”および”大吟醸”は、精米の割合により区分されます。玄米の大きさを100%として、通常はお米を70%までの大きさに削って醸造しますが、吟醸は60%下、大吟醸は50%以下に削ります。削れば削るほど、お米の芯の甘くやさしい繊細な部分のみ使用することになり、その分、材料費が高額になるためできたお酒も高額になります。

こちらの獺祭、”磨き三割九分”の名のとおり、39%まで削ったごくごく小さなお米の粒を使用します。贅沢!そこからできたお酒は、将に”香りとフィネス(繊細、上品、優雅)”、甘く華やかでメロンや梨のようなフルーティな香り。日本酒は、度数も高いしちょっと・・・・なんて思いも吹っ飛びそうな心地よい味わいです。飲みすぎには、ご注意!!

日本料理のコースが始まる前に食前酒としていただけば、もう、この後、何が出てくるのかしら?とわくわく感がとまらない、一気に食欲を誘うかんじ。セミナーでは、お料理は出てきませんが、私の妄想はすっかり暴走してしまいました。また、ちょっと贅沢なおばんざいやさんなどで、まずは美味しい冷奴と。ただし、上質なお塩でお願いします!そして、日本酒バーや自宅での休日など、じっくり香りを楽しみたいお酒でした。

2本目は、

福寿 純米酒 「御影郷」(兵庫県)

こちらは、磨き70%。獺祭と比べると、控えめなフルーティな香りはりんごのよう。味わってみるととろみが舌に残り、甘さもあるけれど決して甘すぎない、心地よい苦味を伴った後口は、”万能食中酒”。吟醸酒のような華やかな香りと比べると地味に感じますが、じわっと口に広がる旨み。実は、こういう地味ながら滋味深いお酒が食事には一番合うと思います。その中でもこの福寿は、旨みが強すぎず、吟醸酒の後のいよいよ始まる♪今夜の日本料理フルコースの初めのお酒として、また、ご家庭でも気軽に楽しめそうな懐の大きい、親しみ易さがあります。

3本目は、

大七 生酛純米酒 「CLASSIC」(福島県)

生酛(きもと)とは、伝統的な製法のひとつで、酛(もと)(=酒母。お酒を発酵させるための酵母液)を造る際の工程を表します。空気中にはさまざまな良い菌と悪い菌が共存しています。酛を造る際、 どうしても空気に触れてしまうため、悪い菌が繁殖してしまうとその後のお酒の味わいに悪影響を及ぼします。それを防いでくれる正義の味方、乳酸菌!あらかじめ醸造用乳酸を使用する方法もありますが、この生酛は、最も伝統的な製法で、自然の乳酸が繁殖するよう酛を極寒の中一晩中かき混ぜ続ける山卸(やまおろし)の作業を伴います。あまりに難しく重労働!!しかし、それにより得られる複雑な味わいは、他の何にも変えられません。この大七酒造株式会社は、創業250周年を迎える生酛造りの名門。仕込み蔵に大変良質な乳酸菌が代々棲みついている、貴重な酒蔵であります。

干しぶどうや桃のコンポートのような濃厚な香り。豊かな厚みと重量感、余韻は長く複雑です。「干しぶどう」だの「桃」だの「コンポート」だの、「日本酒は日本酒だ!!!」と怒られそうですが、ワイン生産国の人には、「蒸留酒?シェリー酒?」と感じることもあるようで、ここでは、日本酒初心者による初心者向けのコメントとご了承ください。

このお酒には、和食になくてはならない調味料、お醤油の出番です!コースも中盤にさしかかりました、焼物に。とはいえ、日本料理屋さんでは、脂ののった旬のお魚にお塩でいただきたいです。ご家庭では焼き魚にお醤油。個人的には、ブリを合わせたいと思いました。また、お豆腐にお醤油、普段使いでないものをわざわざ購入したいと思います。

おなかも心も満たされてまいりました。ここから、日本料理が世界遺産になった重要なポイントでもありますお出汁と日本酒について、その2でお話したいと思います。