イタリア料理と南アフリカワイン

案外奈良では、月曜定休のイタリア料理店はほとんどなく、代わりに西洋料理と酒類全般に長年携わっている方々の率直な意見を聞ける、貴重な機会となった。ワインバー セヴの奥西さんを初め、お忙しい中お集まりいただいた皆さまに感謝申し上げます。

さて、イタリア料理と南アフリカワイン。

料理は、「イタリア料理であるが、各国でも(香辛料や調味料は多少異なるにしろ)同じように作られている、また、国際的に認知度が高いであろうと思われる料理」をアレンジなしでイタリアのレシピに忠実に(いつもどおりに)作った。カルピオーネ(南蛮漬けに似た料理)にトリッパ(牛ではなく放牧羊だが)、カルボナーラ、牛の赤ワイン煮込み。デザートは、トルコ発祥でオーストリアから北イタリアのトレント州に伝わったとされるストゥルーデルである。

参加者によると、カルボナーラの世界的知名度は怪しいようだが・・・。当店にご来店される諸外国のお客様の、特にフランスの方の注文が最も多いパスタメニューであることから、知名度が高いと思っていた・・・。

さて、メニューの簡単な説明と、合わせるイタリアワインの特徴を奥西さんに事前にお知らせし、南アフリカワインの中からセレクトしてもらう、というスタイルで行った。通常、ワインを選定したら、料理とワインが本当に合うかどうかチェックし、すり合わせて本番に臨むが、それはお客様へのイベントの場合である。今回は、「国際市場向けに作られたワインとは、他国の料理、つまり、どの国の料理にもそれなりに合うということなのか」という疑問。ただ、イタリア料理の多くは郷土性が高いため前述したメニューを選ぶことで、最低限のすり合わせとし、合うも合わないも検証するというプロ向けの会にした。

ワインは、デザートワインも含めて7本。比較的大手ワイナリーのもので、1600年代後半から1900年代の創業まで歴史も古く、従って、ブドウの樹齢も高い。いずれも丁寧に造られた印象のワインで、バランスがよく、特に白ワインが良かった。

ただ、全体的に料理に合わせるために重要な酸が少ないことが残念であった。参加者からも、スパイスや調味料で料理にアレンジが必要であるとの意見があった。料理を欲さないワイン、という意見からはさすが、ワインバーセレクトと言えるであろう。これらのワインの完成度の高さは、今後ますます品質の向上が期待できるとの意見は一致した。これが、国際市場に受け入れられる、ということかもしれない。

イタリアワインは、バラエティ豊富、生産量は常に世界1,2を争い、日本にはイタリアワインオンリーのインポーターも数多く、品質と価格のバランスがよい。正直、何拍子も揃っている。そして、奥が深い。20州がブドウ栽培適地であるため、産地によっては、大量生産に走って品質を落とした時期もあったが、長い歴史の中で継承された土地と技術は健在である。イタリアでは、ワインと共に必ず料理がある、つまり、ワインだけちびちび飲む習慣がない。どのワインも料理があってはじめて完成する、逆もしかり。料理は郷土料理を根底にしているので、その土地のワインを連想させるものが多い。

その中で、他国産のワインを扱う難しさをいつも感じている。そして、当日も痛感した。

日本では元来、お酒と料理を合わせる文化はないので、ソムリエが増えても、ワイン情報誌が増えても、ドラマやマンガが流行っても、やはり多くの人にとって、ワインと料理は別々のものである。合う、合わないも個人差があるし、放っておいてほしいのが現状である。ただ、私は知ってしまった。お酒と料理が合ったときの幸せを。なので、これからも勉強します。そして、こっそりさりげなく合わせて、ご提案させていただきます。

 

Rustenberg Sauvignon Blanc 2014

Bellingham   Bernard Old Chenin Blanc 2015

Robertson   Constitution Road No.1 Chardonnay 2013

Kanonkop   Pinotage 2014

Cederberg   Shiraz 2013

Hartenberg    Cabernet Sauvignon 2011

Paul Cluver    Noble Late-Harvest Riesling 2014