海のない奈良で海の未来を思う一皿「潮かつおとシーベジタブル 海の香りのサラダ」をご紹介します。
「シーベジタブルの海藻」と西伊豆伝統「潮かつお」を烏梅水で包み奈良の香りをまとわせました。リコッタチーズの優しい甘みと、南イタリア伝統の魚醤「
海のない奈良県で、奈良ならではの海を感じるイタリア料理ができないかと辿り着いた「平城宮跡木簡食材 *」は奈良時代の各地の食材のみならず日本の伝統保存食の魅力に気付かせてくれます。
*「平城宮跡木簡食材」とは?
当店がつくった造語です。各地においても木簡は出土しておりますが、特に平城宮跡から出土した木簡からは、全国各地の食材や調理法、当時の人々のくらしがわかる重要な資料として注目されています。それらの食材と現代まで続く保存食の加工技術の素晴らしさに改めて感動を覚えると共に一方で、ひっそりと無くなりつつあることに危機感を感じています。これらの伝統食をイタリア料理に変え新たな魅力を引き出すことにより、日本各地の郷土性の豊かさと伝統をつないできた人々への感謝の想いを、当店では「平城宮跡木簡食材」と名づけた各地の伝統食材を使いイタリア料理で表現しています。
数ある平城宮跡木簡食材の中から今回注目したのは「若海藻 ワカメ」
高知県安芸市にある「シーベジタブル」は、日本の海の生態系を育むため海藻を栽培しています。さまざまな地球環境の変化により海底からみるみる消えていく海藻群を取り戻すべく、海藻の採取と研究を行っています。環境負荷の少ない海水と太陽の力で栽培するとともに新たな海藻食文化を広げる活動を行っています。
海藻はプランクトンを育み、やがて魚を増やす“海の森”となります。高知発「シーベジタブル」の海藻と西伊豆「潮かつお」から海のめぐみを味わうみずみずしい一皿「潮かつおとシーベジタブル 海の香りのサラダ」は、奈良から海を守る活動へ想いを馳せた前菜です。
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◇シーベジタブル公式ホームページ:https://seaveges.com/
◇木簡画像出典:国立博物館所蔵品統合検索システム
「平城宮403号木簡」