8月の期間限定スタジオーネ・コース『前田農園のトマト』のメニューが決まりました

8月5日(土)から8月13日(日)まで、期間限定でご用意いたします、奈良市前田農園さんのトマトにスポットを当てた、奈良の美味しさ発見!スタジオーネ・コースの詳細が決まりました。

Stuzzichino~フィンガーフード Benvenuto NARAようこそ、奈良へ~
蘇 シャクヤクの花びらを混ぜたハチミツ
*ピッツァマルゲリータ*
アマゾンカカオを練り込んだグリッシーニと奈良漬

Apribocca~アミューズ~
*ガスパチョ*

Antipasto Freddo~第一前菜~
ズッキーニのトラパネーゼソース
 *トラパネーゼソースに前田農園のトマトを少量使用しておりますがトマトではなくズッキーニを主役にした前菜です

Antipasto Caldo~第二前菜~
大和丸なすのリゾット タッツィーナ仕立て

Primo Piatto~パスタ料理~
*アリオーネのピーチ*

Second Piatto~メイン料理~
*宇陀牧場井上牛のブイオーネ*

Granita~プレドルチェ~
大和橘のリーフティーと焙じ茶のグラニータ

Dolce~デザート~
いちぢくとハッカのリピエーナ

Caffe e dolcini~小菓子~
アマゾンカカオ トルタカプレーゼとモディカチョコレート

奈良市で素晴らしいトマトに出会いました!!伝統的なイタリア料理をよりクリアに味わい深く、シェフ山嵜の得意とする直球ストレートが光るコースです。

さて、どんな料理かもう少し知りたい方は、続きをご覧ください。

<ソムリエ・エクセレンスの料理解説>

*ピッツァマルゲリータ*
当店のフィンガーフードで定番になりつつある一品。弾力のある生地にトマトとバジルがしっかり香る、小さくても正統派。

*<収穫の旬>ガスパチョ*
”収穫の旬” の良さであるトマトの爽やかな水分を余すところなくいただける冷製スープ。トマト、きゅうり、スイカ、メロンを主に、セロリやエシャロットでベースを支え、約10種のハーブを加える体が喜ぶ夏のスープ。体にみるみる吸収されていく感覚は、全てに感謝せずにはいられない。
味わいは複雑で、口に運ぶごとに違った風味を楽しめる。スープに浮かべた凍ったスイカの甘みと冷たさが良いコントラストを生む。クリアなスープにするためパンを入れず自家製ポップコーンを添えた。夏の野菜が存分に楽しめる爽やかなコースの幕開け。

*<味の旬>アリオーネのピーチ*
トスカーナ州シエナの王道パスタ。このパスタは足しも引きもできない、むしろすべきでないとさえ思う。太めのシンプルな配合のパスタにややニンニクを効かせたこれまたシンプルなトマトソース。太目の手打ちパスタ、ピーチの味わいと、トマトソースのバランスのみにかかっている。
ピーチは10数年前、乾麺一筋だったシェフ山嵜が一番最初に作った手打ちパスタで、うどんを知っている日本人だけに ”決してうどんを想起させない” 粉と水の配合に辿り着くまで丸2ヶ月かかった。それ以来作り続けているが、お客様から「忘れられない」とご好評いただくパスタの内の一つだ。
そして遂に今年3月、前田農園さんのトマトに出会った。
”味の旬” のトマトから作ったソースは理想を遥かに上回り、他のトマトを一切加えたくないと思わせるものだった。完璧な甘酸っぱさとほのかな青い香り、長い余韻。探し求めた理想が遂に完成した。

*<収穫の旬>宇陀牧場井上牛のブイオーネ*
ブイオーネは、ブリオーネとも呼ばれトスカーナ州からラツィオ州にかけて広域で親しまれている郷土料理だ。
リストランテ イ・ルンガのスタジエ時代、当時セコンドだった山崎シェフ(現在、沖縄にて開店準備中)に教わった。山崎シェフが滞在していたラツィオ州北部トゥルシア地方のヴィテルボ周辺の家庭料理で、牛肉を白ワインとトマトで煮込む。
牛肉を白ワインで煮込むなど聞いたことがなかった。ましてトマトを入れるなど思いもよらなかったが、美味しさを探究するイタリアの自由な発想とその軽やかな煮込み料理に感激した。
夏になると食べたくなる、それは旬(イタリアでのトマトの収穫期は7~9月)の食材を使っているからだと腑に落ちた。宇陀牧場の牛肉はサシが最小限の上きめが細かい。肉質がしっとりなめらかで、肉の旨みと甘みが絶妙なバランスを保つ。煮込んでも程よい噛み応えが残り咀嚼するほど旨みが染み出す。
前田さんの ”収穫の旬” のトマトのみずみずしさを肉汁と共に煮詰めていくことで、白ワインの酸味にふくよかさと厚みをもたらした。
今回は山嵜流にソースを漉してなめらかに、軽やかに洗練させた。よりクリアに素材の味が楽しめ、ほんのりトマトが香る、他にない煮込み料理だ。

イタリア料理のみならず、その土地に行けば地方の伝統料理から派生した地域ごとの、地区ごとの、町ごとの、村ごとの、そして家庭ごとのレシピがあまたあり、現地へ修行に赴く人それぞれに、その数だけの体験とレシピが受け継がれる。
縁あって山崎シェフから山嵜に受け継がれた。

トマトを通じて、イタリア料理の美味しさも発見できる8月のコース、是非ご賞味ください!
ご来店お待ちしております!