◆パネトーネのチーズケーキ 自家製リコッタを添えて◆

ボルゴ・コニシの年始の定番ドルチェ『パネトーネのチーズケーキ 自家製リコッタを添えて』をご紹介します。

パネトーネのチーズケーキ 自家製のリコッタを添えて

パネトーネのチーズケーキ 自家製のリコッタを添えて

イタリア、ロンバルディア州ミラノ発祥と言われているクリスマス銘菓『パネトーネ』

パネトーネは、刻んだドライフルーツがたっぷり入った大きなブリオッシュのようなパン菓子で、特殊なパネトーネ種を用いた長期発酵菓子パンの一つだ。

その保存期間の長さも驚異的だ。
毎年初夏にあらかじめ注文し、12月上旬にイタリアより入荷するボルゴ・コニシお気に入りのスカルパート社製は、常温で賞味期限が翌年3月末までという長さを誇る。
特に真空になっているわけでもないし、カタカナや化学記号で表記された想像のつかない“食材”が入っているわけでもない。オーガニックであることは食べてみれば明らかで、一体どうしてこんなことが可能なのかと驚くばかり。

その秘密は特殊な発酵種 ”パネトーネ種” にある。
パネトーネ種は、生まれたての仔牛が初乳を飲んだ後の腸内から取り出した物質と小麦粉を混合し培養・発酵させて作る発酵種だ。ロンバルディア州北部のコモ湖周辺でのみ採取・培養されており、酵母と乳酸菌が共存している大変珍しい複合酵母である。
パン屋や菓子屋はその酵母から自家製のパネトーネ種を増やし育てていく。そして年末に向けて年に一度パネトーネを焼く。パネトーネ種の取扱いには高度な技術を要する。
現在では、時には季節問わず日本でも 自家製パネトーネなど見かけることもあるが、是非本来のパネトーネとイタリアならではの食文化も味わってみて欲しい。

その素晴らしい技術は認めるものの、当初はさすがに多湿の日本であるから怖くて年内に消費していた。しかし、イタリアでは年が明けるとセールになったパネトーネが各家庭では人気の朝食となり、レストランはドルチェとしてふるまうという食文化を知った。夢のよう・・・叶えたい!!

恐る恐る3月末まで放置してみたが全く問題なし。軽くトーストしてホイップやザバイオーネソースと共に、フレンチトーストにリメイクしても素晴らしい。
年末に賞味期限の長い本物のパネトーネを見かけたら多めに購入し、年始にご家庭で是非お試しいただきたい。

そして2022年、リストランテとしてボルゴ・コニシオリジナル、パネトーネドルチェが誕生した。それ以来、年始の恒例ドルチェで、お客様からリクエストをいただくようになった。嬉しい限りだ。

パネトーネが本来の味わいを越えて美味しくなるように、がシェフ山嵜のいつもの絶対条件である。
パネトーネとマスカルポーネでチーズケーキを焼き、間に自家製のリコッタクリームを挟む。仕上げに大和橘とインドの黒糖“ジャグリー”を削って添える。

パネトーネの最大の魅力である、長期発酵によるふくよかで味わい深い風味を際立たせるマスカルポーネの優しい風味が合わさり、しっとりと複雑な味わいのチーズケーキに様変わり。表面の少し焦がしたところもキャラメリゼされて美味。
間に挟んだフレッシュな自家製リコッタクリームがさり気なく、濃厚なチーズケーキとドライフルーツを軽やかに引き立てる。大和橘の香りがフレッシュさを演出し、ジャグリーの甘いくちどけが心地よい。

毎年この季節が待ち遠しくなる、シェフ山嵜のオリジナル パネトーネドルチェ。是非、ご賞味ください。