奈良茶飯をリゾットに「ほうじ茶と炒り大豆のリゾット~Chameshi~」

プッタネスカは最も好きなパスタ料理のひとつですが、奈良茶飯を食べたとき「奈良のプッタネスカだ!」と感激しました。
双方の味の構成に共通する概念を見出したのです。

言うまでもありませんが、奈良茶飯と現在の通称であるプッタネスカの語源との間に共通点はございません。
ちなみに1950年代までの旧称は「パスタ・アッラ・マリナーラ・コン・オリーヴェ・エ・カッペリ」です。

奈良茶飯のほうじ茶、炒り大豆、米だけという最小限のシンプルな食材から生まれるやさしく豊かで滋味深い味わいに、プッタネスカと共通するセンスを感じたのです。

その感動から、奈良の伝統的食文化をイタリア料理に昇華させたリゾット
「ほうじ茶と炒り大豆のリゾット~Chameshi~」は生まれました。

ほうじ茶と炒り大豆のリゾット~Chameshi~

 

イタリア料理のセンスの良さにはいつも驚かされ、新たな視点が広がります。
ごく少量のアンチョビ、ケッパー、オリーブ、トマトで作るシンプルなスパゲティ「プッタネスカ」がどうしてあれほど豊かな味わいになるのか。

20代、あるお店で食べたプッタネスカの味わいに驚愕しました。
それまでプッタネスカと思っていたものとは全く異なるものでした。
最小限の具材の絶妙な調和による、やさしく豊かなおいしさは奇跡としか思えませんでした。
イタリア料理の奥深さとセンスに感動したことを覚えています。

 

「イタリア料理の真髄を変えるような料理は絶対に作らない」
イタリア料理に携わって以来、一貫して変わらない私の料理の根幹です。

 

イタリア料理法を変えるためではなく、よりおいしくオリジナルなイタリア料理を作るためにさまざまな食材を試します。

私にとってオリジナルとは、見たこともない珍しいものという意味ではありません。
既にあるものから新たな魅力を見出し料理として具現化することです。
その中で、奈良や各地の伝統的な食材、日本の食文化に新たな価値を見出すようになりました。

「自然の中にすべての答えがある。
自然に導かれるままに和合から生まれた料理は、時代を超えすべての境界を越えて、心地よい調和を奏でる」
このことわりに叶う料理が、私のオリジナルなイタリア料理です。

 

老若男女国籍問わず提供した瞬間、お皿の上から瞬く間に消える
「ほうじ茶と炒り大豆のリゾット~Chameshi~」

理屈も知識も必要ない、多くの人がただ「おいしい」と笑顔になったときが最高に幸せです。
これからもそのような「奈良のイタリア料理」を作り出したいと思います。

 

<使用食材>
大豆(天理市) 南桧垣営農組合
焙じ茶(奈良市) 田村青芳園茶舗
米「ハツシモ」(奈良市)やまむら農園
木桶醸造醬油「木まじめ」(奈良市)イゲタ醬油
パルミジャーノ・レッジャーノ24ヶ月熟成(フィオレンツォ・ジョリート熟成)フロマージュ ドゥ ミテス

 

監修:山嵜正樹
文 :山嵜愛子