ソムリエ協会機関紙『Sommelier』”石田 博のペアリング探訪記” に掲載されました ~いきさつ編~ 1/

人生、時として予想もしないことが起こる。

ソムリエ協会機関紙『Sommelier』(2022.11.NO189)”石田 博のペアリング探訪記 Series4” に掲載された。つまり、ソムリエ協会副会長 石田博氏が、ここ奈良のリストランテ ボルゴ・コニシ ソムリエ・エクセレンス 山嵜愛子の取材にお越しになったということだ。取材は2022年9月末だったのだが、現在我が人生ダントツ一位のご褒美といっても過言ではない。

ここで石田博氏について経歴をご紹介させていただく。

石田 博氏:1990年「ホテルニューオータニ」入社、1994年「トゥールジャルダン東京」配属。「ベージュ アラン・デュカス東京」総支配人、「レストラン アイ(現KEISUKE MATSUSHIMA)」シェフソムリエを歴任後、2016年「Restaurant L’aube(東京・東麻布 レストランローブ)」開業。現在「ホテル雅叙園東京」顧問、「HUGE」コーポレートソムリエ。(一社)日本ソムリエ協会副会長として人材教育を中心に活動しソムリエ職の地位と質の向上に努める。数々の執筆や著書多数。
2014年内閣府黄綬褒章を受章
1996,1998,2014年 全日本最優秀ソムリエコンクール優勝
2015年 アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール優勝
2000年 世界最優秀ソムリエコンクール第3位入賞
2016年 世界最優秀ソムリエコンクールセミファイナリスト 

要するに、スーパーマンです。日本を代表する世界トップクラスのソムリエで、今だトップランナーである上に多くの若手ソムリエを育成するという、類まれな人物である。・・・・このような方が、山嵜愛子の何を取材するというのか・・・・・(失神)

掲載誌である日本ソムリエ協会発行の機関紙『Sommelier』とは、日本ソムリエ協会の会員や関係各社に隔月で送られてくる情報誌である。ワインはもちろん、酒類、関連業界、飲食業に関連する社会情勢や政治経済など業界の”今”と概要を知ることができる。
書店には並ばない。よって当ブログでは今回の取材のテーマでもある私の ”日々の業務やペアリングに対する思想と流儀” を取材体験を交えながらお伝えし、ボルゴ・コニシの活動の一部をご紹介できたらと思う。

それにしても何がどうしてこうなったのか。人生何が起こるかわからない。そもそもソムリエになることも経営の片棒を担ぐことになることも全く予想していなかった。その上、だ。
7月上旬、それは唐突な短いメールから始まった。

ソムリエ協会編集部からのメール、しかも個人宛とは、恐る恐る開いてみた。短いメールの中に目を疑う一文が。
「石田副会長からのご指名ですので、是非取材のご承諾を・・・」

・・・・・・・・なぜだ、なぜだ?ご指名とはどういうことだ、有り得ない!!SNSの個人アカウントも持っていない、故にフォローなどで万が一にも見つかるはずもない。唯一考えられるのは、シェフ山嵜が石田さんをフォローしているからか。それでも、大勢の中の一人であり有名で多忙なスーパーマン 石田さんからすれば気にも留めないはずだ。(汗汗汗)

これについては取材当日、石田さんに半ばドラマチックな答えをうっすら期待しつつ伺ったところ「ソムリエ・エクセレンスで、地方のお店で、こう言っては申し訳ありませんが有名ではない方、つまり広く知られていない方、という条件です」
すっきりと迷いのない大変良い声と紳士の微笑で、爽快な風の如し。
はい、それは間違いなく私です。

さて、メールを受け取りすぐに了承の返信を送ろうとした・・・待て!
書店には並ばないが、逆に読者は専門家比率が高い。お世話になっている業者さんとかインポーターさんとか、ご迷惑になることはないか。それ以前に、石田さんがわざわざ奈良に来てがっかりなんて絶対ナシ!!!

それにこの石田さんの数年に渡る連載は4シリーズ目に入ったところで、ここ数号今までになく一流店が続いている。資生堂パーラー、ジョエル・ロブション、三井倶楽部、そして、ボルゴ・コニシ?????おかしい!ツッコミどころ満載すぎる。誰も石田さんを止めなかったのか?
ちなみに2店舗ずつ掲載されるのだが、ボルゴ・コニシが一緒に掲載されていたのは、星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳だった。
これらのお店は前述の石田さんのお店の選定条件に当てはめるとこうだ。「一流店のソムリエとシェフって、どんな人?その人の思想と流儀、私も知りたい、取り入れたい!」これは私の心の声でもあるのだが、それとボルゴ・コニシと、違う!全然動機が一致しない!

「すみません、間違いでした」と言われる前に私は急いで了承した。こんなチャンスは二度とないし、恥をさらそうが構わない。ベストを尽くすまでだ。
シェフはメールが届いた時点で「ヤッター!石田さんに食べてもらえるの、凄い!!あれもいいな~、でも季節が違うか・・・取材の日ってどんな気候?あんまり胃腸に負担かけない方がいいよな~、ワインも飲むし忙しいだろうし。でもあれは外せないなぁ。あ、もちろん取材受けるよね?」
・・・・・料理コンクールでイタリア人シェフに食べてもらえるとわかった時と全く同じ反応だ。

ペアリング探訪の大きなテーマであるソムリエの ”思想” と ”流儀”。リストランテ ボルゴ・コニシのソムリエとして大前提にある流儀は、”まず料理ありき” だ。
シェフの料理選定においてコンクール優勝の栗とラルドのリゾットは必須だったので、提案された取材日の選択肢から栗の収穫スタートに合わせて最も遅い9月下旬にしてもらった。それでも栗が入手できるかどうか、今年の天候にかけるしかない。

準備期間は2ヶ月以上ある。料理は11月掲載を考慮しつつ、シェフ山嵜の ”これだけは食べて欲しいベスト4” 。この際、徹底的にベストワインを見つけることにした。ただ合うワインではなく、料理と合わせることで更に幸せになるワインのロジックを見つける!!

始まりました、目標に向かってひたすらテイスティングとペアリングの日々が。
各料理に合うと思われるワインを様々な角度からピックアップし実際の営業で提供しつつ、休憩時間に取材用の料理を作ってもらって検証を重ねた。
日々の業務をより丁寧に振り返り見直す。基本のテイスティング、グラスと温度による変化、開栓から日々の風味の移り変わりとヴィンテージや醸造方法との関係を探っていく。改めて更に細かく、そのワインの特徴に合わせて料理との組み合わせを絞っていった。

正直、このような検証は通常不可能である。新たな料理を試食する際はグラス提供用に抜栓したワインで、ある程度合う合わないの見当をつけ探っていく。だが、レシピが完成した料理を、ワインに合わせてみたいから何度も作ってもらうなどということはあり得ない。
またワインを開けたからには、ソムリエとして責任をもって売らねばならない。通常は料理ありきだが、今回ばかりは開けたワインに合う料理を優先してコースを組み立ててもらい、フードロスのないよう検証をすすめた。

毎日続けるうち、出るわ、出るわ、自分の未熟さ、いい加減さ、無知さ、ひぃぃぃぃぃ~。恥ずかし、恥ずかし、あぁ、恥ずかしい。

昔から、国家資格などを除いて日本の資格試験というものに懐疑的だった私が、なぜソムリエになったのか。
ことソムリエについては実際見たこともなかったし興味を持つ機会さえなかった。ホテルなどに就職してたまたまレストランに配属されワイン担当になった人をソムリエと呼ぶのだろうくらいに思っていた。
だが、実際は違った。受験する際、既にワインや酒類に関して一定期間以上の実務経験と受験時に現役であることが条件だと知り、先に経験が必要だということに驚いた。合格率も受ければほぼ合格というものではないし、4択のマークシート方式で、受けてみるとわかるが勘ではまず当たらない非常によくできた選択肢なのだ。そしてソムリエ・エクセレンスに至っては容赦のない切り捨てようで、合格率は悲惨としか言いようがない。だからこそ実際本当に役に立つ。
もちろん、資格がなくてもワインを販売して良いしソムリエのような仕事をしても構わないが、有資格と無資格ではそれこそ思想や流儀に差が出てくるように思われる。

資格を取得してからが新たなスタートだ。特に試験のために得た知識は、実務に於いて威力を発揮する。ソムリエとしての思想や流儀は、機関紙やセミナー、ウェブサイトや雑誌の情報、レストランで実際に食事をすることなどから日々取り入れていく。

こうしてワインと無縁だった私がソムリエという職業に出会い、イタリア料理という食文化に携わることで人生が豊かになった。実務では自分の至らなさと改めて直面し卒倒しそうになりながら、現実逃避的にあれこれ考えながらやっと納得できるところまでたどり着いた。石田さんにレジュメを送信できたのはご来店数日前だった。
取材の所要時間は2時間。その間に私たちの経歴、ソムリエの思想と流儀、4皿の試食とワインペアリング、このハードスケジュールをこなすため私の勝手な判断でレジュメを作成した。寸前に頼まれていないものを逆にご迷惑では、と悩んだが取材メモの短縮になればと思い切って送った。
掲載された記事の最後 ”取材を終えて” にこう記されていた。

取材の数日前に送られてきた資料には料理の詳細、ストーリー、ワインのテクニカル情報、ペアリングのアプローチが丁寧に記されていた。ソムリエ・エクセレンスの名に相応しい、まさに卓越した仕事だ。

身に余るお言葉・・・・・。本当にありがとうございました。

・・・・・・つづく・・・・・・・


第12回全国イタリア料理コンクールで優勝するまで④~優勝リゾットができるまで~

研修を終えて

研修から帰って、まずコック帽をかぶることにしたらしい。今更ですか。本人曰く案外便利だそうだ。何より、短髪を保たなくてよい。
しかし、厨房はそのように想定して設計されていないため、あちこちにぶつけている。

そして、リゾットを作ることが増えたし得意になった。さすがにアマランテシェフのサフランのリゾットが何故あのようになるのか、今のところ奇才イタリア人シェフだからだ、としか言いようがないので解明に時間を要するが、シェフ山嵜のリゾットもなかなか自慢できるレベルになった。
一度食べたお客様からその後来店の都度、必ずリゾットを所望されたり、海外からのお客様も含めて非常に評判が良い。
賄いでは奈良県産の5分精米を使ったリゾットをいただくことがあるが、完璧なアルデンテだ。日本米でもアルデンテを容易に保てるようになった。

最後の最後にお待たせしました、遡って優勝リゾットについてご紹介します。

第12回全国イタリア料理コンクール2021 エントリー受付中!今年のテーマは「カルナローリ米」を使ったイタリア料理!リゾットやアランチーニなど、得意なお米料理で挑戦してください! ”

事の始まりは昨年の2021年9月に突如届いた1枚のFAX。コンクール応募締め切りまで2週間だった。応募を決めたのは、審査員全員がイタリア人のシェフであるということ、これを機にリゾットにいよいよ向き合ってみよう、という2点だった。

その後、予期せぬ優勝とJapan Olive Oil Prize賞までいただき、副賞としてアルマーニ/リストランテ銀座にて1週間の料理研修の機会を得たことは、前回までのブログの通り。

予選出品作品は『Risotto al Lardo di Colonnata』

シェフが初めてリーゾ・パルマを食べたときの感動を、新たな表現で再現したいと思い考案した。米を主役にすべく少量でも味に深みが出る食材、ラルド・ディ・コロンナータ* を細かく刻んで仕上げのマンテカーレに使用した。バターは使わず、通常のリゾットでは考えられないごく少量使うチーズはピエモンテ州産ラスケーラ・ダルペッジョ。胡椒、大和橘のピール、香草オイルで仕上げた。北イタリアのリゾットではなく、米を野菜として捉え南イタリアの調理法を取り入れることで米の旨みをぐっと引き出した。

*ラルド・ディ・コロンナータ;トスカーナ州の集落コロンナータで生産されるラルド(豚の背脂の生ハム)で、この地域の特産である大理石で作った箱に入れて熟成されたもの

そして予選通過の知らせと共に、テーマの変更が伝えられた。
カルナローリ米をたっぷり使えるよう、通年食べられるようなレシピにしたのだが。

”秋を感じさせる”イタリア料理を!”

ラルドのリゾットはどうしても発表したかったので、加えられる秋の食材といえば栗だ。とはいえ、決勝戦当日は11月末で生の栗の入手が可能か微妙。
ひとまず指定のGallo社のカルナローリ米を手配した。予選のレシピは他社のカルナローリ米で作っていた。
”栗” と ”Gallo社” のカルナローリ米にこの後とんでもなく悩まされるとは、このとき予想もしなかった。それまでのリゾットを食べた経験と作った経験が圧倒的に少なかったからに他ならない。

Gallo社のカルナローリ米が届いてみると粒の大きさが全く違う。大粒で見るからに美味しそうで期待は高まるばかり。そして、予選通過のレシピでまずベースのリゾットを作り・・・・・

青ざめた。完全にレシピ崩壊!!再現すらままならない上、栗はどうする?調べるとやはり和栗のシーズンがほぼ終了している。

栗はイタリアの栗、シーズンぎりぎりの生の和栗、勝栗(干した栗の実から殻と渋皮を除去したもの)、焼き栗、あらゆる栗を取り寄せ片っ端から試した。
結果、イタリアの栗と生の和栗が必須とわかった。11月末ぎりぎり手配できる生の和栗が茨城県にあった。
大変美味しいのでここでご紹介させていただきます。
岩間の栗や 小田喜商店
この栗を知ることができただけでも大きな収穫だ。

さて、食材は揃ったものの肝心のレシピが崩壊したまま、最初の味がどうしても出せない。とにかく作っては食べ、作っては食べ、少しずつ調味料の分量や調理方法を変えながら微調整が続いた。ブレないレシピが完成したのは、なんと決勝戦2日前、奈良を発つ前日11月23日の朝!!

22日、ソムリエ・エクセレンス山嵜の採点は65点だった。数日前から賄いの時間だけでは足らず、朝一や夜の営業後も時間があればリゾットを作っては食べ、作っては食べ、翌朝には余ったリゾットをオムライスにし、また作る、食べる、作る、食べる。
なんせ、ソムリエ山嵜は「これじゃない」「ラルドの感じがもうちょっと、こう、なんていうか・・・」「香りはこうで、食感はこうで」と言うだけなのだ。ただ、かなり微妙な違いがわかる上、店とシェフ山嵜のためになるなら妥協しない。

22日の試食はその後75点から上がらず、もうこれ以上米は無理無理無理無理!!と限界を迎えた夜、おもむろに山嵜が沢山の蔵書から1冊の本を手に取った。
ある一節を読んだ直後に作ったリゾットを食べて、私たちは歓喜の声を挙げた!!
翌日そのレシピを数回繰り返し、ブレなかった。その次の日、決勝戦のため東京へ。そして優勝へと至った。

シェフ山嵜がこの料理を思いついた原点に戻るため開き、目が覚めた1冊は『世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ』(池田匡克著 河出書房新社)の160頁 ”Nord che vuole diventare Sud 南になりたい北” の一節だ。

ことばに助けられた。ことばの力の凄さを痛感した。
シェフ山嵜が料理を学ぶとき最も大切にする ”その料理人の思想を学ぶ” が活きた。

決勝戦のリゾットは『栗とラルドのリゾット 大和橘の香り』

野菜の旨みをシンプル且つ的確に引き出すナポリの調理法を米に応用した。にんにく、パセリの茎、チーズの皮、唐辛子で風味付けし香りや旨みをまとわせた米と栗を水で煮ることで、米本来の甘みや旨みを最大限に引き出した。仕上げに加えるラルド・ディ・コロンナータと栗のペーストが、マンテカーレによって優しいソースとなり米を引き立てる。削った大和橘と香草オイルが爽やかさや複雑味を演出し、かすかな唐辛子の辛味が全体の味を引き締める一皿。

今回の優勝によりソムリエ山嵜のテイスティング力にも自信がついたし、イタリア修行経験のないシェフ山嵜のイタリア料理の解釈が間違っていないという裏付けにもなった。
これからも活字と世界中のシェフ達の料理動画の行間から思想を読み取りながら、イタリア料理と文化を誠実に追及していく所存です。


第12回全国イタリア料理コンクールで優勝するまで③~アルマーニ/リストランテ銀座 実食レポート~

アルマーニ/リストランテ銀座での食事は言わずもがな、素晴らしかった。
見た目の楽しさ美しさのみならず、主となる素材が明確で他の全ての素材が皿の上で的確な役割を果たし一皿の味わいを演出している。いずれのお料理も隅々までエレガントで美しい味わい。

そして、特筆すべきは香り。厨房から客席のある大広間まで距離があり、私たちの席はその中で最も厨房から離れていたが、どのお料理も香りが素晴らしい。持論だが、香りのよい料理にまずいものなし。

遊びゴコロ満載かつ味わい深い『アミューズ』のワンダーランドに始まり、


『ホタテ貝 ほうれん草とブッラータ 黒トリュフのソース』の口福すぎるハーモニー、


『カンデラ ジェノヴェーゼ』の高次元な表現力、


『甘鯛 プランクトンとショウガソース』の味のグローバリゼーション、


『牛ほほ肉 燻製ジャガイモエスプーマとキノコのバリエーション』では、的確な燻製の意義と美味しさを初めて体験した。


これまで私にとって燻製とは、妙な香りをつけてどういうこと?と永らく疑問だったし、人生早々から食べることをほとんど避けてきた。この一皿をいただいて、これが燻製ということ?素晴らしい、と腑に落ちた。燻製という調理法による調味料的役割があることを知った。

そして、スペシャリテ『サフランのリゾット』!!

高品質なサフランは香辛料として馴染みのある香りではなく、花そのものを想起させる。リゾットを口に含んだ時の重層的な香りと味わいに心底驚いた。忘れられない一皿となった。こんなリゾットは初めてだ。

実は、サフランのリゾットが一番の目当てだったので組み込まれたコースを予約したつもりだったが、テーブル上のメニューに書かれていない。どうやら間違って予約したらしいと気付き、がっくし。東京に来るなど次はいつになることやら、コースを乱して大変申し訳ないが単品で追加するしかないかと悩んでいたら、「シェフからです」とサフランのリゾットを出してくださったのだ。大変恐縮です。

五感を潤す料理に欠かせないのがワインだ。ソムリエ・エクセレンスなのでお酒に強いと勘違いされるのだが、弱し。年齢を重ねるごとに例にもれず「良いものを少しだけ」となっている。今回のように旅先でなければ多少無理もできるのだが・・・。

料理の中盤から後半にかけて、グラスワインの白を1杯お任せでお願いした。イタリア人であろう男性ソムリエがいらっしゃる。いよいよ、イタリア人ソムリエの推奨するイタリアワインとのアッビナメントが体験できる♪と期待はマックス。これが私の今後のワインセレクトの指標となるのだ!!

注がれたワインは、なんと!!南仏ローヌのマルサンヌ!!イタリアワインではない!!!

さて、このセレクトに込められたメッセージやいかん。これこそソムリエにお任せする醍醐味なのだ。
ワインは香りが穏やかで味わいもまろやか、少しとろりとした食感があり特に際立った特徴はないが落ち着きのある味わいで、安心して杯が進んでしまう。つまりこのタイプは、大変料理に合うことが多い。

料理と合わせてみると、なるほど!
アマランテシェフの明確なテーマをもつ香りと素材の協演が表現された料理に、なんと紳士的な名脇役!ちなみに、ソムリエの方が紳士そのもの。
特にメイン料理『牛ほほ肉 燻製ジャガイモエスプーマとキノコのバリエーション』とのハーモニーは素晴らしく、各演奏家が個性を存分に発揮するのをいとも簡単にまとめ上げる名指揮者のよう。そしてその存在感と包容力は絶大で、ワインが有るのと無いのとでは大違いだ。
そもそも敢えて南仏ローヌの、しかもマルサンヌというこの一本を選ぶことは非常に難易度が高い。

このワインに代わるイタリアワインは何だろう。
香り味わいとも穏やかながら存在感があり紳士的エスコートでメインの肉料理にも寄り添える・・・・トスカーナ州ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノが浮かんだ。そして、マルサンヌとの違いは香りの強度だと思った。穏やかに思えるヴェルナッチャの香りさえも強い、もっと香りを抑えたかったのではないか。

あ~、最高、楽しかった!
ちなみに答え合わせなど無粋なことはしない。沢山飲めない私に選んでくださった1杯のワインは間違いなくお料理に合っていたし、私には到底思いつかないセレクトだった。
栽培から醸造を経てボトルに詰められたワインが、一人のソムリエの目に留まりベストな状態で注がれた、それを世界トップイタリア料理シェフの料理と共にいただける。これ以上の幸せがあろうか!!

プレドルチェ『シトラス オリーブオイルのグラニテ』の料理の余韻に寄り添う可憐な優しさにうっとり。

そしてドルチェは、完全球体の『ティラミス』

もう、どうなってるの?
軽やかな食感ながら、しっかり満足感のある味わいで理想的な締めくくりだった。
レストランにパティシェチームが常駐する贅沢の極みだ。自家製のパンや最後のお茶菓子など隅々まで妥協のないアルマーニワールドを体感できた。

食後アマランテシェフがテーブルまで来て下さり、リゾットの感動を直接お伝えできて嬉しかった。帰りにはお忙しい中、全員でお見送りいただき本当にありがとうございました。

エレベーターを降りるとチョコレートのお持ち帰り『アルマーニ/ドルチ』
もう買わないわけがない。
シンプルなデザインながら、奥深く、どこにでも有るようでどこにも無い個性のある味わいは、一貫してオーセンティックを追求するブランドイメージそのものだった。

関西では、なんとこのパティシェチームを率いる秋山シェフによるカフェメニューを味わうことができる。心斎橋パルコ2Fのエンポリオアルマーニカフェだ。特に季節ごとのパフェがおすすめ!!!強くおすすめする!!!
秋山シェフの脳内どうなってんの?????というくらい、とてつもなく複雑な素材の組み合わせの上、その全ての素材が明確に役割を果たす神業・・・アマランテシェフが全幅の信頼を寄せるのも頷ける。

お料理は2022年3月時点のメニューで、今更やっと走り書きメモを元に書いているが、つい先日のことのように思い出せる。
素晴らしいときと感動をありがとうございました。





第12回全国イタリア料理コンクールで優勝しました~プロローグ~

2021年末、日本のイタリア料理界において大変明るいニュースが飛び込んできた。

『ガンベロロッソ Gambero Rosso』といえば、ご存知の方も多いであろう。イタリアのグルメ専門出版社が毎年発行する、イタリア国内にあるイタリアレストランガイドである。
そのガンベロロッソの国際版、つまりイタリア以外の全ての国にあるイタリアレストランを対象とした『ガンベロロッソインターナショナル Gambero Rosso International 』2022年版 ”TOP ITALIAN RESTAURAN AWARD” にて、アルマーニ/リストランテ銀座が初登場にして最高位の3フォークを獲得し、世界中のイタリアンレストランのトップ20に選出された。
更に、同アルマーニ/リストランテ銀座のエグゼクティブシェフであるカルミネ・アマランテ氏が、世界でたった1名にのみ贈られる ” The chef of the year ”に選ばれるという、ダブル受賞という快挙を成し遂げた。

一見、ボルゴ・コニシと全くかけ離れたきらびやかなこのニュース。ささやかに関わっているとすれば、シェフが自分の結婚式で着たスーツがアルマーニだったことくらいだ。もちろんレンタルだったが、当時25歳の若造には早いのでは、と思いつつも勧められるまま着て、あまりの心地よさに驚いたのは良い思い出になっている。ジャケットなど買うときは「あの時のスーツが一番良かった。」と言う。そりゃ、そうでしょ。だがしかし、そうはいかんよ、君。

人生とは不思議なもので現在、25歳の当時全く予想していなかった日々を送っている。

リストランテ ボルゴ・コニシ オーナーシェフとなった山嵜正樹は、2021年11月25日㈭東京で開催された在日イタリア商工会議所主催『第12回全国イタリア料理コンクール』にて優勝、及びオリーブオイルの使い方が最も優れていたシェフに贈られるJapan Olive Oil Prize賞をダブル受賞したのだ。
そのコンクールの審査委員長を務めたのが、冒頭のアルマーニ/リストランテ銀座のエグゼクティブシェフであるカルミネ・アマランテ氏 その人だった。

*コンクールにおけるカルミネ・アマランテ氏のコメント*
”イタリア料理の大切なことは、自分の創造した料理を自分の独自の芸術作品として誇りを持ち、常にテーマやコンセプトにこだわって、自分自身の言葉で語ることができる正真正銘のイタリア料理を作ることだ。今回は、甲乙つけがたい若手のイタリアシェフたちの熱い戦いであった。いろいろな工夫を凝らしたものも多かったが、王道のリゾットのスタイルを独自のセンスで際立っていた山嵜シェフに栄冠を与えた”

審査委員長 アルマーニ/リストランテ銀座 エグゼクティブシェフ 
カルミネ・アマランテ氏と

今までの人生で最も嬉しいお言葉をいただいた。感無量である。

2007年の創業以来、縁あってイタリア料理店を奈良で営んでいるわけだが、イタリアからすれば外国人が外国でイタリア料理を提供するという、日本特有と言っても過言ではない状況である。だが、その美味しさや素晴らしさ、楽しさを知り、気づけば生業になってしまった。
そうなったからには責任を負うことになる。
心掛けていることはただ一点。イタリアの文化や伝統料理、食文化と真摯に向き合うことだ。想像力を働かせイメージを膨らませる。もしイタリア人シェフなら奈良でどうするだろう。

イタリア文化に関する書籍やレシピ、キッチン用品やYouTubeの調理動画、オペラ、美術展、デザインや建築、アート作品、洋服、テキスタイル、皮製品。彼らのセンスの良さにはつくづく感心し感動を覚える。そのセンスは表層的な派手さがないことも多く、一見地味なことさえある。しかし、どこか本質的な心の豊かさを感じさせるようなセンスの良さを感じる。奈良にもそのようなところがある。それを自分の料理に反映させてきた。
できた料理が自己満足ではなくイタリア料理として成り立っているのか、その答えを出してくれるのがイタリアワインだ。

こうして日々試行錯誤してきたことが、イタリア人のシェフから評価いただいたことで、これで良かったのだと自信につながり今後の指針ともなった。

さて、優勝の副賞としてアルマーニ/リストランテ銀座で1週間の研修を受けることになった。短い期間ではあるが、アマランテシェフの料理哲学を通してイタリア料理の本質を垣間見たいと思っている。

*研修期間中3月1日㈫から10日㈭まで、臨時休業致します。

ホームーページをリニューアルしました

本題に入る前に、先日はシェフェスタin奈良 シェフズキッチンにご来場いただきありがとうございました!!・・・ん?気付けば随分時間が経過している・・・今週末6日には、後半のシェフェスタin馬見が始まります!!・・・ボルゴ・コニシは参加しません・・・

楽しかったシェフズキッチン コムニコ×ボルゴのイケメンチーム

もう、プロ勢揃いで私などに何ができよう。すばらしい。

当日は、早朝の雨上がりでかなりぬかるんでおり足元の悪い中、多くのお客様にご来場いただきました。ありがとうございました。

 

さて、本題。

このたび、2015年に制作したホームページをリニューアルし、内容盛り沢山にいたしました。大きく変わった箇所は『メディア紹介事例』で、2007年開店から現在に至るまで紹介されたメディアについてまとめてみました。振り返ってびっくり!!なんとマジメでマニアックッッッ!!シェフらしいと言えばそうですが、、、著作権を侵害しないために、書籍などの画像の代わりに簡単なコメントを掲載しております。

まとめ作業の間に、当時のいろいろなことを思い出しました。

2007年オープン最初の雑誌掲載は、『ぱ~ぷる』”春のしあわせパスタ”でした。ある女性のお客様が食後に「実は雑誌記者です。今度取材をさせてください。」とおっしゃって、あの有名なぱ~ぷるさんであることと、ご自分で食事して味を確認してから取材なさるという、本気度に感激したことを覚えています。なんと、ぱ~ぷる自体の表紙と、33ページの特集のトップページに当店のパスタがどどどアップ!そして、特集内の40ページに”絶品パスタ”として当店をご紹介いただくという、一度にクリスマスとお正月がきたような、嬉しい経験でした。

2010年 『芸妓 菊乃のかわいい奈良』は、出版社の方から「菊乃さんが是非、貴店について執筆したいとおっしゃっています。」とご連絡をいただき、「大変光栄でございます!よろしくお願いいたします!!」と電話口で嬉しく取り乱しました。出版されるまで待ちに待った、ガイドブックとしても未だ大切な一冊です。

2011年 ルイ・ヴィトン シティ・ガイドは、かなり驚きました。お客様に「おめでとうございます。」と言われ、ルイ・ヴィトンが発行するシティ・ガイドに掲載されていることを知りました。というか、そんなシティ・ガイドがあることをその時はじめて知りました。そして、大阪のルイ・ヴィトンまで購入に行ったのです。もちろん、かなり怪しまれたので早々に理由を話し、手袋をした店員さんが店の奥から持ってきて、とても美しく包んでくれました。さて見てみると、なんと映画監督の河瀬直美さんがお気に入りのお店として紹介してくださっていたのです!!豪華すぎ!!

2013年11月7日 毎日新聞では、ソムリエ山嵜についても文中で触れるとのことで、雑誌のように校正があるわけではのですが、担当記者の宮本氏のお心遣いで「発効日が、奥様の誕生日の前後になりそうですが、年齢は現時点のままにされますか?それとも1歳足しますか?」と確認の電話があり、もちろん現時点にしていただきました。年齢表記に何の意味があるのかと聞いたら、新聞では信憑性が問われるため、人名には必ず年齢表記をする決まりだそうです。新聞が発行され「見ました!!」のあと必ず皆さま含み笑いで「奥様、結構年齢が・・・あはは、あ、しかもアネヨメ(姉嫁)で・・・ふふふ~ん・・・へ~~~。」と内容より私の年齢のインパクトが強かったようです。

2014年 nala:yome(ならよめ)のときは、遂に実物のナラヨメを見れるのかと思い、取材の日はかなり楽しみでしたが、残念ながらいらっしゃいませんでした。2012年創刊したとき、書店でひときわ目を引く、表紙を飾るアバンギャルドすぎる奈良の嫁たち(しかもほぼ全員が外国人美女モデル)に衝撃を受け、結婚して13年経っているにも関わらず、発行されるごとに欠かさず拝見しておりました。奈良もこれくらい変わったっていいわよ、ふむふむなどと。さすがに、ドールハウスのような所でお人形のような、もはや純白のドレスでないナラヨメがわらわらと沢山写っている特集では、「一体どちらで撮影されたのでしょうか?このような場所が関西に?」などと、この際とばかりナラヨメの謎を解き明かしたのであります。ナラムコはあまり写っていなかったような・・・ハッピー、ナラヨメ。

メディア掲載情報に加え、ブログも整理し、インスタグラムも見れるようになり、内容充実!バージョンアップしたボルゴ・コニシ ホームページを、今後とも末永くどうぞよろしくお願いいたします。

 

NHK奈良放送『ならナビ』の料理コーナー ”ならメシ” に出演しました

2018年5月、4週に亘り NHK奈良『ならナビ』の料理コーナー ”ならメシ” に出演させていただきました。

アシスタントを勤めてくださった新田谷(にたや)さんと

前回は2016年、同じ番組内の ”古都コトクッキング” に出演させていただきましたが、今回もより工夫し簡素に仕上げた、山嵜正樹考案”主婦の味方!レシピ”を、前菜、パスタ、メイン、ドルチェと4品ご紹介!!

「できれば、新田谷さんがほぼ全部できる勢いで・・・」ということで、台所での主婦を放棄してン~年のわたくし、山嵜愛子がシェフの指示に従いレシピのまま作ってみる実験も行いました。そして、「あら、私、結構料理上手みたい♪ほーほっほっほっほ。」とすっかり自信をつけたのでありました。それくらい簡単です。

どうだ!今回のレシピ、すごいぞ!と、意気揚々と打ち合わせに臨んだら「簡単すぎてシェフの威厳がないし、わざわざ出演してもらう意味さえないような・・・」と、まさかの反応!出演はさせてもらえましたが、それくらい簡単です。

さて、そのラインナップは・・・

1.前菜「アスパラジ・エ・ウォーバ」(2018年5月11日放送)

ホワイトアスパラガスを最も美味しく食べるための料理ですが、グリーンアスパラガスのみずみずしさを味わう春の一品にいかがでしょう。

2.パスタ「春キャベツのカチョエペペ」(2018年5月15日放送)

具材を何も入れない、カチョ(チーズ)エ(と)ペペ(こしょう)という名の、ペペロンチーノと双璧をなすローマの定番パスタをベースにしています。何も入れないのはもちろん、旬の具材を加えてもおいしいパスタです。

3.メイン「ボンベッテ」(2018年5月22日放送)

BBQやお弁当にも重宝しそうな、お肉料理。お子様と一緒に作っても楽しそう。その昔、プーリア州のお肉屋さんが考案しただけあって、お肉を気軽にたっぷり美味しく食べられるレシピです。

4.ドルチェ「ブディーノ チョコラート」(2018年5月29日放送)

当店で提供することもあるシチリアのチョコレートプディングですが、店での工程を大幅に削減し、ご家庭でも簡単に作れるレシピにしました。

 

おつまみくらいならお料理をするというある男性からは、「いつも、サクッと作れるレシピで、楽しみにしてます!」というお言葉もいただきました。是非、お試しください!

試食シーンの収録は好天に恵まれテラスで

放送後、母から主婦代表として感想が届きますが、古都コトクッキング1回目は、「ヒゲはやめなさい。」 古都コトクッキング2回目、「腕の剛毛をなんとかしなさい。」 そして3度目の正直、ならメシに生かされたのでありました。ご近所さんやお客様に、先日はなんと庭木を切ってもらった方にも、「見たよ!」とやたら言ってもらえると思ったら、視聴率が高い番組だそうで、大変光栄です。

スタッフのみなさま、そして、収録スタジオとしてお借りしたCONTENTSの中村さんの多大なるご支援により、楽しく収録を終えることができましたこと、この場を借りて心より感謝申し上げます。

CONTENTS中村さんのサポートでほぼ成り立っているシェフ山嵜正樹

番組は、4月より始まったばかりです。4月の中国菜館 桂花の小倉シェフの中華料理(おいしそうでした!!そうやるのか!という発見も!)もならメシのホームページで見ることができます。そして、これからも続々と、奈良のあなたの町の ~~シェフが!え、まさか ~~シェフまで!!出演されます。古都コトクッキングもまさにそうでした。これからも、”ならメシ” 楽しみです♪