11月の期間限定スタジオーネ・コース『ザ・イタリアン』のメニューが決まりました

10月28日(土)から11月12日(日)まで正倉院展開催期間中、ランチタイムに数量限定でご用意いたします、奈良の食材を使ってイタリア料理の基本を守りながら洗練させた、クリアで滋味深い奈良の美味しさ発見!スタジオーネ・コース『ザ・イタリアン』の詳細が決まりました。

十津川加納川ファーム有精卵のカルボナーラ

十津川加納川ファーム有精卵のカルボナーラ

Amuse~アミューズ~
リゾット かきもち添え 茶粥仕立て~Chagayu~

Antipasto ~前菜~
バッカラマンテカートのクロケッタ マントヴァソース

Primo Piatto~パスタ料理~
十津川郷神納川ファームの放牧有精卵のカルボナーラ

Second Piatto~メイン料理~
宇陀牧場井上牛の赤ワイン煮込み

Dolce~デザート~
ティラミス(十津川郷神納川ファームの放牧有精卵の卵黄を使用)

Caffe e dolcini~小菓子~
アマゾンカカオのモディカチョコレート
ブルッティ マ ブォーニ(十津川郷神納川ファームの放牧有精卵の卵白を使用)

 

誰もがご存知、リゾット、カルボナーラ、ティラミス、牛の赤ワイン煮込み。そして、イタリアン好きにとって馴染みのあるバッカラマンテカート。さらに奈良の郷土食、茶粥。
これらを現代を生きるシェフ山嵜が、イタリアと日本と奈良に感謝を込めて作ります『ザ・イタリアン』
奈良の食材が味わえる、ボルゴ・コニシ流王道イタリア料理を是非お楽しみください!!

さて、どんな料理か気になる方は、続きをご覧ください。

 

<ソムリエ・エクセレンスの料理解説>

アミューズは、リゾット かきもち添え 茶粥仕立て~Chagayu~。

リゾット かき餅添え 茶粥仕立て~Chagayu~

リゾット かき餅添え 茶粥仕立て~Chagayu~

『ザ・イタリアン』と言いながら、いきなり創作?と思うなかれ。れっきとしたイタリアの基本的なリゾットであり、奈良の伝統食茶粥である。
2021年全国イタリア料理コンクールにゾットで優勝したこと、田村青芳園茶舗さんに教わった茶粥レシピで大和茶と茶粥で始まる朝食が日常になったこと、当店の所在地である小西町が民間での茶粥発祥地であること、その後江戸に伝わり外食産業の始まりにつながったこと、様々な事柄が積み重なりシェフ山嵜からしか誕生しえなかったリゾットChagayuは当店のシグネチャーになりつつある。

五分づきにした奈良県曽爾高原産の米を使用。リゾットを炊く際、米に大和茶ほうじ茶を含ませた。仕上げにパルミジャーノ・レジャーノをたっぷり加える最もシンプルで基本的なリゾット。大和茶ほうじ茶の粉末と焦がさないように焼いたかき餅(おかき)を添え、大和茶煎茶のスープを注ぐ。奈良とイタリアの食文化の融合と革新を実現した。
かき餅の食感とほんのり香ばしい風味がリゾットと相乗しながら、お米の香りを際立たせる。正倉院展の期間中ということで、かき餅添えの古典的な茶粥をイメージさせる仕上げだ。

*Chagayuの詳しい説明はIW100のメニュー解説 ”アミューズ~Chagayu~” を参照ください。
https://borgokonishi.com/blog/?p=2586

 

前菜は、イタリアンの王道バッカラマンテカート。イタリアから輸入された干しダラを1週間ほどかけて丁寧に塩抜きし、北海道村上農場の長期熟成じゃがいもインカのめざめと共に、基本通りしっかり作る。
クリーミーで旨み抜群のバッカラマンテカートをクロケッタ(コロッケ)にして閉じ込めた。
ロンバルディア州マントヴァ地方の伝統的なマントヴァソースは、アンチョビ、ケッパー、オリーブの塩味と酸味が効いた魚料理にぴったりなソースだ。一気に気分はイタリアン♪

 

ザ・イタリアンなプリモピアットといえば、パスタの王道、不動の人気、皆大好きカルボナーラ。久々のお目見えだ。

カルボナーラ

カルボナーラ

リストランテのコースの途中、しかも最もお客様が期待するプリモピアットで提供することは、思った以上に難しい。よって、ご提供する機会がすっかり減ってしまっている。
さて、現在様々な卵が販売されている。中価格帯以上の卵を店頭で見つけると、必ず試し料理に合うものを常日頃ブラッシュアップしている中で、桁違いな高級卵を発見。
十津川郷神納川ファームの放牧有精卵だ。

十津川神納川ファームの有精卵

十津川神納川ファームの有精卵

この卵を主役にカルボナーラを選んだ。今回の王道というテーマにしたのもこの卵がきっかけだ。

そして、この卵の品質が間違いないとわかるきっかけになったのは、神奈川県相模原市(有)小川フェニックスの鳳凰卵をいただいたことだ。
どんなに素晴らしくても神奈川県から卵を取り寄せる・・・非現実的だと思ったが、どうしてもというお申し出に、恐縮ながらいただいた。

初めて食べる卵はまず最初に、朝食の土鍋で炊いたご飯と塩一つまみだけ加えた全卵の卵かけご飯でいただく。最後までお醤油を加える気にならない卵が上質と考える。品質チェックに最も有効だと思っている。
臭みがなくても味がない、味が濃くても途中で臭み消しにお醤油を垂らしたくなる、というのはよくある。
この鳳凰卵は、これまで食べた鶏卵の中で最も上質だった。一切の雑味や臭みがない上、卵の味が濃厚だった。両方を兼ね備えた理想的な卵!!!なんとか取り扱えないかと考えたが、当店の規模と使用頻度からどうしても送料がかかり高額になってしまう。
そんな時ふと、知ってはいたが試したことのなかった十津川郷神納川ファームの放牧有精卵を思い出した。そして、鳳凰卵の経験があったからこそ今回のザ・イタリアンにつながった。

神奈川県相模原市(有)小川フェニックス様には、この場をお借りして心より感謝申し上げます。そして、美味しい卵を探し求めている皆さま、(有)小川フェニックス鳳凰卵を是非お試しください!!
特に沢山使う製菓や飲食店では、送料はかからないし品質から考えても高すぎることはない。おすすめです!

さて、卵で興奮しすぎたがカルボナーラのおはなし。
なんとなく豪華な感じがする卵黄だけ使うとか、軽やかな現代風ソースにするとか、ご存知シェフ山嵜はしません。カルボナーラはカルボナーラであって欲しい。
ただ、品種改良していない小麦を使ったフェリチェッティ社のスパゲティに加納川ファームの有精卵と、イタリアのチーズ熟成士ジョリートさんによる熟成ペコリーノチーズとパルミジャーノレジャーノ、上質なグアンチャーレ(現在イタリア製は輸入禁止のためスペイン産)、マレーシアのサラワクペッパーによる、一切雑味のない、クリアな濃厚さが楽しめる。

もう一つのザ・カルボナーラたる所以は、わが国初の女性イタリア料理人で日本にマンマの味を広めた堀川春子氏から『ピアット』のオーナーシェフ稲本卓氏に、そして山嵜に受け継がれた調理法だ。ムッソリーニの時代に堀川氏が日本に持ち帰ったカルボナーラの技法を使っている。
最後の仕上げに、煙が立つほど熱したフライパンに卵液を絡めたパスタを一気に入れて煽る。卵がダマにならず、且つしっかり火が入りほんのり香ばしく仕上がる。
上質な素材に替えるだけなら購入すれば誰でもできるが、この技法により王道であると言えるのではなかろうか。

 

リゾット・チャガユ、バッカラマンテカート、カルボナーラときたら、メイン料理は宇陀牧場井上牛の赤ワイン煮込みと決まっている。
井上牛のきめ細かい身質と黒毛和牛ながら上品な甘みが、赤ワインと肉汁のみでじっくり煮込んでいく北イタリアの料理法と相性抜群!!奈良県産の旬のお野菜の付け合わせと共に、秋が楽しめる一皿。

 

デザートは、もちろんティラミス。
その昔、大ブームが起こったために「ティラミスか~、久しぶりかも」と若干古典なイメージになりつつあるようだが、シェフ山嵜は軽やかに華やかに現代風にするどころか「恐らくティラミスが誕生した時代には、コーヒーは深煎りで抽出にはマキネッタを使ったはずだ」と独自の空想を巡らし、思い描いたティラミスを実現するだためだけに、ビアレッティ社のマキネッタブリッカを購入。
コーヒー豆は、通常お出ししているコーヒー豆と別に天理市やまのべ焙煎所(オススメです!)のロブスタ種(カネフォラ種ロブスタ)入り深煎り豆を常備している。
このティラミス、手前味噌だが本気で美味しい。いつかボール一杯分一気に食べたいと夢を抱いているが未だ叶わず。
大変気に入っているので今回だけではなく時折お出しするが、皆さまに感激していただいている。
今回、十津川郷神納川ファームの放牧有精卵の卵黄を使うことで、更なるバージョンアップが実現した!これ以上のザ・ティラミスは、今のところ思いつかない。

そして食後の小菓子には、定番であるアマゾンカカオのモディカチョコレート大和橘フレーバーと、十津川郷神納川ファームの放牧有精卵の卵白を使用したブルッティ マ ブォーニ ”不格好だが美味しい” という名のヘーゼルナッツ香るメレンゲのお菓子で締めくくります!!

ティラミス

ティラミス

奈良の美味しさ発見!11月のスタジオーネ・コースは、シェフ山嵜流王道コース『ザ・イタリアン』
是非ご賞味ください!ご予約ご来店お待ちしております!

***11月のスタジオーネ・コース***
コース料金 ¥6,600(税込・サ別)
ご提供期間:10月28日(土)~11月12日(日)*月曜定休*売切れ次第終了*
      ランチタイムのみご用意いたします。
      下記時間内でご予約承ります。
      ランチ:11:00~12:30最終入店

*期間中は奈良国立博物館にて正倉院展が開催されています。
 周辺の道路が混雑する可能性がございます。
 お車でお越しの際は、ご注意ください。

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RISTORANTE Borgo KONISHI
リストランテ ボルゴ・コニシ

電話予約:0742-26-5581
WEB予約:https://res-reserve.com/restaurants/borgokonishi

 

 

リストランテ ボルゴ・コニシの『ITALIAN WEEK 100』イタリアン×奈良特別コース

いよいよ来月、11月18日㈯~26日㈰、日本全国北海道から沖縄まで、各地域のイタリア料理店100店舗にて一斉に特別メニューが振る舞われる、大型レストランイベント ”ITALIAN WEEK 100” が開催されます。

ITALIAN WEEK 100は『世界イタリア料理週間』の公式イベントの一つで、日本におけるイタリア料理文化の向上と普及を目的としています。

2023年のテーマ ”パスタ未来形” を軸とした、100店舗の個性が光る特別コースが日本全国で体験できる9日間です。

現在各店から発表されているパスタ未来形の中から、美味しそう!と思ったパスタに投票いただくことができます。
投票ページから是非お気に入りを見つけて、投票してください。
ちなみに、リストランテ ボルゴ・コニシは一行目真ん中です。どうぞよろしくお願いいたします。
この秋、各地のイタリアンレストランを訪れてみませんか?更に豪華プレゼントが当たるかも!

この素晴らしいイベントの第一回目に参加させていただくに当たり、リストランテ ボルゴ・コニシは、奈良の古代から現在そして未来へと、奈良に住む日本人としての心をイタリア料理の伝統文化に融合させたIW100特別コースにて、奈良を思う存分ご紹介いたします♪

★ご予約について★
リストランテ ボルゴ・コニシ IW100特別コース
期間:11月18日㈯~26日㈰
場所:奈良県奈良市小西町24番地フラッツ小西2F
予約方法:お電話 0742-26-5581
     公式ホームページのWEB予約ページ
       ⇒ https://res-reserve.com/restaurants/borgokonishi
     各グルメサイト

*ITALIAN WEEK 100は、選ばれた全国100店のイタリア料理店各店にて、11月18日㈯~26日㈰の期間一斉に特別コースが振舞われるイベントです。
どこかに集まって行われるイベントではございませんのでご注意ください。

IW100特設HP  https://italianweek100.com/

当店の掲載ページ https://italianweek100.com/ristorante-borgo-konishi/

お近くのイタリアンレストラン、または旅先でのお食事に最適なお店を探してみませんか?
イタリア料理100店舗の個性光る「パスタ未来形IW100特別コース」を各地で体験いただけます。
それぞれ予約方法が異なります。各店舗の紹介ページをご覧ください。

以下、特別コースについてシェフ山嵜正樹の解説をまとめました。
お料理ごとに
●料理名
●コンセプト
●ソムリエ山嵜の味わいポイント
●食材など補足説明
の順に並んでいます。

日本とイタリアの食文化の融合と革新、そして美しい地球の未来への想いを込めて。

《ITALIAN WEEK 100 特別コース》
Pane パン◆
大和橘の花から採取した酵母を使った、自家製イタリアパンを数種類お楽しみいただけます。
長時間熟成による小麦粉の優しく深い味わいがお料理を引き立てます。

Stuzzichino フィンガーフード◆
Benvenuto NARA ~ようこそ、奈良へ~
蘇蜜 ~かぎろひ~
アマゾンカカオニブを練り込んだグリッシーニと奈良漬
醤(ひしお)と大和大鉄砲豆腐のラビオリ 山椒のフレーバー

IW100フィンガーフード

IW100フィンガーフード

フィンガーフードは、奈良の古代の食文化をイタリア料理法で現代的によみがえらせ紹介します。
蘇蜜のかぎろひは、コースの幕開けを表すと共にSDGsなどに見られる世界共通の次なる平和的ステージの幕開けへの想いを表しました。

  • 蘇蜜:牛乳を焦がさないよう丁寧に煮詰めて作る蘇(そ)は優しい甘さとホロホロとした食感が特徴。竹炭を練り込み闇夜に浮かぶ三笠山の景色を表した。パプリカパウダーはかぎろひの空の色を表すと共に、爽やかな苦みを伴うフルーティさでミルクの甘みを引き立てる。全体を“御殿はちみつ”の純粋な甘さがまとめる口福感を味わえる。
蘇とは・・・古代の日本(飛鳥時代~平安時代)で作られていた乳製品の一種。
蘇蜜は薬として平安時代、藤原道長も食したとされる他、甘い美味なものの例えでもある。
竹炭を加えて作った蘇の表面にかぎろひ(厳冬の良く晴れた日の出前、東の空を彩る陽光)をパプリカで表現。
ハチミツは郡山城跡に設置した蜂の巣箱から2023年春に採取した無添加無調整の“御殿はちみつ”を使用
  • グリッシーニ:奈良市三条通の老舗 今西本店(江戸時代末期創業)の8年熟成胡瓜の純正奈良漬けと、カカオニブの発酵を経た熟成感をグリッシーニでつないだ。新たな味わいのハーモニーをイタリア食文化で表現した、国籍問わず誰もが頷く一品。
  • ラビオリ:醤油の搾りかすの粉末を練り込んだ生地で醤(ひしお)と奈良の在来大豆「大鉄砲」で作った大和大鉄砲豆腐を詰めたラビオリ。古代の食文化を現代に復活させた醤の香りと味をラビオリに閉じ込めた。山椒がエレガントに爽やかに、味蕾を覚醒させる。
醤(ひしお)とは・・・醤油や味噌のルーツと言われる。奈良時代の「穀醤(こくしょう / こくびしお)」を古文書や記録を読み解き奈良で再現された古代ひしお。

大鉄砲(おおでっぽう)とは・・・奈良に伝わる幻の大豆。地元農家さんが「お味噌にするとおいしい」と、先祖代々種を受け継ぎ自家採取されている在来種。もともとは、田んぼの畔(あぜ)で稲(米)と一緒につくられていたが、稲の品種改良で収穫期にズレが生じたことや栽培における苦労、高度経済成長に伴う農業変革(主に効率化や作り手の減少)などの理由で減少した。
昭和23年創業の大豆加工製造販売を行う有限会社三木食品工業(奈良市)の当代 近藤正洋氏が奈良県産大豆を探すうち2016年に出会った奈良の在来種である大鉄砲を、田原本町の鎌田ファーム(後述)と共に2017年復活させた。
現在、豆腐を初め醤油、味噌、きな粉、豆乳、ジェラートと様々な商品化に成功。
大豆の花言葉は『可能性は無限大』

 

Apribocca アミューズ◆
味間いものリゾット 大和茶のスープ ~茶粥 Chagayu~

味間いものリゾット 大和茶のスープ ~茶粥 Chagayu~

アミューズは、IW100のテーマである「パスタ未来形」へ向けての導入メニューです。
奈良の伝統的な朝食である茶粥。ここ奈良市小西町が発祥とされています。
リゾットを炊く際、米に大和茶ほうじ茶を含ませ、仕上げにパルミジャーノ・レジャーノをたっぷり加えた最もシンプルで基本的なリゾットの茶粥仕立てです。日本とイタリアの食文化の融合と革新を実現しました。
アミューズでは夜が明け新たな1日が始まったことを、コースの始まりに重ねて表現しています。

  • 磯城郡田原本町鎌田ファームの五分づきにした玄米と、奈良市田村青芳園茶舗の大和茶を使用。大和茶焙じ茶を含ませパルミジャーノ・レジャーノ(24ヶ月熟成)で仕上げたクラシックなリゾットに、大和茶焙じ茶の粉茶をまぶした味間いものコンフィを乗せる。仕上げに大和茶の煎茶のスープを静かに注ぐ。リゾットとミネストラ、奈良の茶粥を一皿に融合したChagayu。コクのあるしっかりとしたチーズをまとった米を大和茶がさらさらとほぐし清涼感を与える。
    焙じた大和茶が香ばしく、田原本町 西浦 正嗣さんの素晴らしくキメの細かい身質がしっとりと詰まった味間いもの食感と共にアクセントとなり、食後は大和茶がふわりと香り口中がさっぱりとする。

茶粥とは・・・奈良を代表する郷土食である。「大和の朝は茶粥ではじまる」と言われるように、奈良の茶粥は特に有名。寛永年間(1624~44)に井戸屋弥十郎という人が、奈良市高畑町(シェフ山嵜の自宅付近)の神職から習い、奈良市小西町(リストランテ ボルゴ・コニシの所在地であり店名)で茶粥屋を始めた。その後、1657年江戸で「奈良茶飯」として流行し日本の外食産業の始まりとなった。
その茶粥発祥の地で、令和のイタリアンレストランにてChagayuをお召し上がりいただく。

田村青芳園茶舗について・・・猿沢池から南へ200mのならまちに位置する老舗の大和茶専門店。昔上ツ道(かみつみち)と呼ばれた伊勢街道沿いにある。店頭でご主人が毎日焙じるほうじ茶の香りは格別。月ヶ瀬を中心に厳選した大和茶の品揃えが豊富だ。
ボルゴ・コニシで最後のお飲み物にお出しする、珍しい月ヶ瀬の抹茶「大和の和(なごみ)」は渋みがなくまろやかで海外の方にも好評だ。また、味のあるパッケージデザインはご主人の手描きを元にしており贈り物にも最適。近隣の昔ながらのお客様はもちろん、県外のファンも多い。
味間いもとは・・・大和伝統野菜で奈良県在来のサトイモ

◆Antipasto 前菜◆
ボスコ・ディ・ブロッコリー

ボスコ・ディ・ブロッコリー

第一前菜は、イタリア原産の代表的野菜の一つであるブロッコリーを主役にした一皿です。
華厳経に「世界は美しく飾られたみごとなものだ」また「美しい世界は実践によって実現される」という記述があります。
常日頃私は、食材の中でも特に野菜は美しくみごとなものだと思っており、その美しさを皿の上に置こうとして生まれた料理です。
山や森は水を蓄える大切な存在です。奈良の人々は山をご神体として敬い、水信仰と共に伝えてきました。
春日山原始林を模したブロッコリーは美しい花蕾に大地の水と、料理という人類の英知を蓄えています。

  • 五條市 益田農園のブロッコリーは、驚くほど花蕾が引き締まり旨みが詰まっている。しっかり茹で野菜の甘みを引き出して尚、花蕾にソースを蓄える力がある。イタリアの伝統料理バッカラ・マンテカートにブロッコリーのピュレを混ぜ、爽やかな水分と軽やかさを加える。その上に、ドライトマト、松の実、干しブドウなどから成るソースを花蕾に蓄えたブロッコリーを添えた。花蕾に溜まったソースが噛むほどに口中に溢れる。ブロッコリーの特徴を活かしバッカラ・マンテカートに華を添える一皿となった。
ブロッコリーについて・・・キャベツの一種がイタリアで品種改良され、花を食用とする現在の姿になった。和名はメハナヤサイ(芽花野菜)、ミドリハナヤサイ(緑花野菜)

五條市益田農園について・・・吉野連山や紀伊連峰の美しい山々に囲まれた奈良県五條市。この地は果樹・野菜の栽培に適した気温や湿度にも恵まれ、適度な寒暖差がある。自然に逆らわず、山間の傾斜をそのまま利用した広々とした農園で循環型農業に取り組んでいる。

 

◆Antipasto 前菜2◆
チンクエ・フォルマ

チンクエ・フォルマ

第二前菜は、5種のチーズそれぞれにイタリア料理法をひと手間加え組み合わせた前菜です。
5種の個性豊かなチーズが反発しあうことなく相互に引き立て合う様は、華厳の世界観である「ミクロからマクロ、マクロからミクロ」そのものを表します。
神山である御蓋山ミカサヤマ(春日山)の麓、東大寺のお膝元であり興福寺の元敷地内空中2階ボルゴ・コニシで日々過ごす、奈良で育った私という料理人からしか生じないチーズ料理です。
イタリアの代表的な5種のチーズを結集し湧き上がるミルクの泉を表した、平和を象徴する一皿です。

  • イタリア料理コンテスト『プレミオアッチ2019』において全国3位入賞の5種のチーズを使った前菜。イタリアチーズ熟成士ジョリート氏のチーズを使用。ゴルゴンゾーラと焦がしはちみつのパンナコッタの土台をドーナツ状にくり抜き、モッツァレラチーズを溶かしたスープを流し込む。パルミジャーノ・レジャーノ(24か月熟成)を薄くシート状に焼いて乗せ、アバーテ(山羊)とラルドのバットゥータ、マスカルポーネとアマレッティのバットゥータをそれぞれ丸めて乗せる。湧き上がるミルクの泉をイメージした盛付け。ナイフを入れ流れ出るモッツァレラのスープと共に、5種のチーズがさまざまな味わいを生み出す、なんとも楽しいチーズの前菜。

 

◆Primo Piatto 『パスタ未来形』◆
アクア・ディ・ポモドーロ

アクア・ディ・ポモドーロ

IW100「パスタ未来形」
未来へ残したいものとして真っ先に浮かんだ “水” 植物が蓄えた水でありイタリア食文化を象徴する野菜の一つ、“トマトの水“をテーマにしました。
奈良の水の歴史と水に対する人々の祈り。それは生きとし生けるもの全てにおける地球の未来への想いと重なります。
水に導かれるように自然に生まれたアクア・ディ・ポモドーロ。太古から現在、そして未来へ、地球と人類が存在する限り大きく変化することのない普遍性を、今を生きる私が料理という最も平和的な形で奈良から発信する、未来につながる豊かな自然の大切さを表現したパスタです。
より詳しい説明はこちら→https://borgokonishi.com/blog/?p=2540

  • 奈良市前田農園のトマトの力を借りて濾過された、大地の水の恵みを素直に表現した。トマトの旨みと水分を抽出したトマト水のみずみずしく体に染み込む感覚と、その一方で味わいに集中すると、トマトの旨みが凝縮した濃厚なソースが口中に広がる。大和橘のピールを削って仕上げることで、トマトの香りがより一層引き立つ。その香りと共に体に染み込むトマト水が、古代から現在、未来全てがある “今” を覚醒させる。
大和橘とは・・・古事記に“非時香果”(ときじくのかぐのこのみ)として記され、万葉集の多くの歌にも詠まれている。
山の辺の道や中ツ道を中心に栽培されており、「なら橘プロジェクト推進協議会」の長年の地道な活動により絶滅の危機を乗り越えようとしている。
ボルゴ・コニシが大和橘に出会ったのは2017年。今では無くてはならないとても大切な食材である。
中ツ道は、奈良盆地の中央より東を南北に平行する三本の縦貫道。東から上ツ道(かみつみち)、中ツ道(なかつみち)、下ツ道(しもつみち)。「大和三道」ともいう。
奈良市前田農園について・・・代々続くイチゴ農家から、3代目の当代がトマト専業農家へと舵をきった。
水田に向く盆地である奈良の土壌を、独自の研究と試行錯誤を重ねナスの接ぎ木によりトマトの好む枯れた土と錯覚させる方法を実現した。
工夫に工夫を重ねた可能な限り自然な農法、作業効率の向上、収穫の安定化、次世代への引継ぎ、更には近隣の耕作放棄地利用への提案と実施に向けての活動など積極的に行う農園。

 

◆Second Piatto メイン料理◆
ボリートミスト ~大和 YAMATO~

ボリートミスト~大和 YAMATO~

奈良の高原で育まれる食肉と野菜のソースで、奈良の山野を表現したボリートミストで締めくくります。
奈良盆地を囲むように広がる山々で育った鴨、豚、牛から、肉質に現れるそれぞれの山の標高、気温、湿度、水、土、植物などを想起させる、メインディッシュにふさわしいイタリア料理です。
海がない奈良県が未来の美しい水を守るためにできることは、美しい山を保つことです。

  • 御所市 倭鴨(やまとがも)、五條市 泉澤農園のばあく豚を使った自家製サルシッチャ、宇陀牧場 井上牛の奈良県産3種の肉をボリートミストに仕立てた。それぞれ個別に適正な温度で時間を変えて茹でた肉に、炭火で炙って仕上げることで、各肉の味わいに輪郭が現れる。茹でる際に取れたスープは吉野葛でとろみを加えた。添えるソースは、大和橘の葉のサルサヴェルデ、曽爾高原産 梅のモスタルダ、前田農園のトマトを使用したバニェットロッソ。奈良の各食肉の特徴と野菜のハーモニーが存分に楽しめる、イタリア料理の最大の特徴であるワクワク感が伝播するメイン料理。
倭鴨(やまとがも)とは・・・奈良県御所市の標高452mの葛城山麓で飼料・飼育環境・飼育日数にこだわって飼育された合鴨肉。脂質と赤身のバランスが絶妙で、芳醇な旨みが特徴。
ばあく豚とは・・・奈良県と大阪府の県境に位置する標高1125mの金剛山麓の麓にある、農業と畜産業を営む泉澤農園で飼育されている。母系の黒豚からきめ細かい肉質を得、霜を降らせるためデュロックという茶豚を交配した。餌は小麦、大麦、大豆、飼料用米を自家配合した飼料を使い、肥育期間は通常6ヶ月のところ、約7.5ヶ月かけて育てた豚。
宇陀牧場井上牛とは・・・標高400mの宇陀の地で、当代 井上源一氏により昭和43年牛一頭から創業。昼夜の温度差が大きい環境がもたらす、きめの細かい肉質が特徴。原材料から配合割合までこだわった飼料を与え、一頭一頭徹底した飼育管理と愛情を込めたケアのもと育てる。
曽爾高原とは・・・ススキの名所で、官民共同組織による村内で育った米や野菜のブランド化などを目指す農業と、木材加工による付加価値の創造を目指す林業の両分野を中心に、村内で展開する地域イノベーションによる創業を支援しながら、持続可能な農林業の実現を目指している地域。

 

◆Granita 口直しのシャーベット◆
桂のリーフティーのグラニータとヘーゼルナッツ ~クロッカンテ~

桂のリーフティーのグラニータとヘーゼルナッツ ~クロッカンテ~

桂の落ち葉から香るカラメル香を抽出して作るグラニータにヘーゼルナッツを削ることで、クロッカンテを表現しました。
和ハーブ協会会長も驚いた、医食同源や地中海食を思わせるプレドルチェです。

 

Dolce デザート◆
柿のアマレッティ 柿酢のジュレと吉野ニッケイを添えて

柿のアマレッティ 柿酢のジュレと吉野ニッケイを添えて

日本料理に於いて水菓子としての柿をドルチェとして成立させることが、日本そして奈良でイタリア料理を通じて食文化の更なる向上と普及へとつながる、との思いから考案しました。
奈良県は柿の栽培面積全国第3位、収穫量全国第2位であること、またイタリアでも親しまれているフルーツである柿のドルチェで皆さまを口福にします。

  • 奈良県産柿を使用。リコッタに、柿、アマレッティ、リンゴを混ぜ込み程よく熟した柿で包み、柿酢のジュレを添えた。柿酢のジュレの熟成感のある酸味と生リンゴのフレッシュな酸味が重層的に柿とリコッタの甘みを引き立て、アマレッティの香りが華やかに香る。吉野肉桂の葉をパウダーにして添えることで、より洗練されたドルチェに仕上がった。ジューシーでありながら繊細な甘さが特徴の奈良の柿に、イタリアの料理法を合わせることで柿特有の風味の輪郭が際立った。新たな味わいの発見がある一皿。

柿酢について・・・奈良県五條市に本社を構える石井物産の直営店「柿の専門 いしい」の柿酢を使用。石井物産は1965年梅とミョウガの加工会社として創業。その後、漬物の下請け会社として事業を拡大し、1981年干し柿以外の柿の加工品がほとんど無い時代に、「傷つき捨てられる柿をなんとかしたい」という想いから柿の加工を始めた。
現在、柿酢以外にも様々な干し柿や、柿ようかん、柿バターやケーキなど贈り物にもぴったりな豊富な品揃えで、JR・近鉄奈良駅周辺の直営店や土産物店にて購入可能。
特に野菜との相性が抜群でボルゴ・コニシでは多用している。

辰誠園について・・・標高約450mの高原に位置し、農薬と化学肥料を必要最低限に抑え、環境への負荷をできるだけ減らす農法に取り組んでいる果樹園。
吉野高原で太陽の光をいっぱい浴びた完熟の柿は、通常より糖度が高く濃色で食味が良い。昼と夜の寒暖差があることから県内では珍しい、さくらんぼの栽培も行っている。

 

◆Caffe e dolcini 小菓子 食後のお飲み物と共に◆
アマゾンカカオのモディカチョコレート 大和橘のフレーバー
希望の花 ストライプペポとアマゾンカカオバター

アマゾンカカオのモディカチョコレート 大和橘のフレーバー/希望の花 ストライプペポとアマゾンカカオバター

小菓子は、アマゾンカカオと奈良の新たな食材を組み合わせて未来への想いを託しました。
アステカ文明を起源とするシチリアのモディカチョコレートには大和橘を添え、日本とイタリアのこれからも変わらぬ友好関係を象徴します。
“希望の花“と名付けた菓子には、アマゾンカカオバターに現在奈良県が品種改良及び将来性を模索しているペポカボチャの種子 ”ストライプペポ“ を添えました。
僅かな可能性から生まれた植物から料理人が新たな一面を引き出し、光を当て、人々にその価値を広め共有し楽しんでいただく、未来が地球にとって素晴らしいものであるよう願いを込め、コースを締めくくります。

ストライプペポとは・・・2014年に品種登録された寒冷地向きのペポカボチャ(種子食専用のカボチャ品種)の一種。
製菓業界などに於ける国産の食用種子に対する要望から始まった。国の研究機関である農研機構北海道農業研究センターで開発が行われ、栽培し易く種に厚い殻がないため殻を剥がす必要がない、また種子収量が既存品種に比べ多い品種として開発された。
種子が優良である反面、果肉が大きいため栽培面積を要する上、食味が悪いことから種子だけでは採算が合わないと当初は栽培農家が増えず無駄な開発だったのでは、という声も聞かれるようになった。
そのストライプペポに2015年、奈良県農業研究開発センターが着目。当センターは、“オンリーワンの研究開発を目指し、奈良ブランド力の強化を図っていく” を指針としている。
奈良県桜井市の圃場では1株から3~6kgの果実が2~4個収穫でき、1個の果実からは50~110gの種が収穫できた。以来毎年栽培し、現在100g1,000円で商品化している。
北海道と奈良県では、次なる課題である果肉の有効利用について研究が続けられている。

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★ご予約について★
リストランテ ボルゴ・コニシ IW100特別コース
期間:11月18日㈯~26日
場所:奈良県奈良市小西町24番地フラッツ小西2F
予約方法:お電話 0742-26-5581
     公式ホームページのWEB予約ページ
     ⇒ https://res-reserve.com/restaurants/borgokonishi
     各グルメサイト

IW100特設HP  https://italianweek100.com/

当店の掲載ページ https://italianweek100.com/ristorante-borgo-konishi/

 

 

リストランテ ボルゴ・コニシが考える、IW100『パスタ未来形』”アクア・ディ・ポモドーロ”

◆ITALIAN WEEK100◆
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奈良市 リストラン テボルゴ・コニシ オーナーシェフ山嵜正樹による『パスタ未来形』についてご紹介いたします。

<山嵜正樹の考え>
料理を考案する際、私が最も大切にしていることは「また食べたいかどうか」
リストランテなのでケではなくハレではあるが、華美で稀少でごく一部の人が味わえるような料理がハレだと思う方もいらっしゃるでしょう。
私が提唱するのは、プロフェッショナルな料理人として知識と技術と時間をかけた家庭では味わえないお料理を家族と仲間と、近所で旅先で味わいリラックスして楽しむ、皆さまの日常のすぐ近くに寄り添う、何度でもどなたでも訪れることができるリストランテです。

その上で今回のIW100のテーマ『パスタ未来形』を考えたとき、未来へ残したいものとして真っ先に浮かんだ “水” 
地球上のあらゆる生命体の未来に欠かせない清らかな水をテーマにしました。

中でも人間が ”そのまま飲める水” は限られており、飲める水にするため植物や野菜の力を借りています。そのままでは飲めない水を、野菜に吸収してもらい、動物に植物を食べることで体に蓄えてもらい、調理してそれらの水をいただいています。

人は自然と共にあります。水は未来からの借り物です。水は地球の歴史を地層として記録していきます。
今夏、地質学の専門家たちにより、46億年の地球の歴史の上で人類の痕跡が残る時代を区分する、新たな地質年代「人新世」(じんしんせい、または、ひとしんせい)を設けることが国際学会に提案されました。
「人新世」は、現在の「完新世」に続く新しい地質年代の区分として2009年から検討されており、始まりは1950年ごろを採用するとされています。
この時期、世界の人口やプラスチック、コンクリートなどの人工物の生産量が爆発的に増えており、50年代に急増した核実験によるプルトニウムも世界中の地層や氷床に既に ”記録” されています。
”人類の痕跡が残る時代” が地球歴史上前代未聞の ”欲望と傲慢に満ちた恥ずかしい地層” として積もりつつあります。ちなみに1950年代までは人類の理性がぎりぎり働いていた時代で、その後タガが外れ現代に至るということです。

私はこのことを知り驚愕しました。
私たち一人一人にできることは僅かであっても、今どう過ごすか、例えば水をどう考えるかで未来が変わるといえるでしょう。誰も未来の水を汚したくはないと思います。

植物の力を借りて濾過された大地の水の恵みをいただくパスタが、“アクア・ディ・ポモドーロ” です。未来へ残したい美しい水への想いを表しました。

繰り返しになりますが、水はあらゆる生命の命を育みます。人は飲料としての水の他に、農作物へと形を変えることでも水を摂取しています。
中でもイタリアで長い年月をかけて食用として開発されたトマトは日本にも定着し、イタリア料理と共に広まりました。トマトから抽出したクリアな水に未来への想いを託しました。

トマトの水に華を添え未来へと誘うもう一つの植物 “大和橘”
古事記に“非時香果”(ときじくのかぐのこのみ)として記されている大和橘は、万葉集の多くの歌にも詠まれている日本固有の柑橘です。現代の奈良人により今、絶滅の危機を乗り越えようとしています。

可憐な大和橘の芳しい香りが、大地の未来を見据えた農業を行う奈良市前田農園のトマトと共に未来につながる豊かな自然の大切さを想起させてくれます。

『人は自然と共にある』

奈良に暮らし、日々イタリアの伝統と文化に思いを馳せる中で感じる、自然への敬意と感謝から素直に導き出した“アクア・ディ・ポモドーロ”
料理という最も平和的な形で、多くの皆様に奈良の自然の懐の深さをお届けできることを嬉しく思います。
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ITALIAN WEEK 100 特別コースについて https://borgokonishi.com/blog/?p=2586

前田農園について https://borgokonishi.com/blog/?p=2408

 

10月の期間限定スタジオーネ・コース『奈良県産お肉』のメニューが決まりました

9月22日(金)から10月22日(日)まで期間限定、数量限定でご用意いたします、奈良県産お肉にスポットを当てた、奈良の美味しさ発見!スタジオーネ・コースの詳細が決まりました。

今回ご紹介するお肉は、3種です。
*御所市葛城山麓 倭鴨(やまとがも)
*奈良五條市泉澤農場 ばあく豚
*宇陀牧場 井上牛

Stuzzichino~フィンガーフード Benvenuto NARAようこそ、奈良へ~
蘇蜜 二上山
ピッツァマルゲリータ
古代ひしおと大和大鉄砲豆腐のラビオリ 山椒のアクセント

Amuse~アミューズ~
奈良県産カボチャのアグロドルチェ

Antipasto ~第一前菜~
ばあく豚の岩塩焼き 宇陀キノコのトリフォラート添え マントヴァソース

Antipasto ~第二前菜~
宇陀栗のリゾット 大和茶のスープ~Chagayu~

Primo Piatto~パスタ料理~
宇陀牧場井上牛のラグークラッシコ タヤリン

Second Piatto~メイン料理~
倭鴨 桜井市九果園のサラダイチジク バルサミコソース

Granita~プレドルチェ~
まくわうりのグラニータ

Dolce~デザート~
パンナコッタ

Caffe e dolcini~小菓子~
アマゾンカカオ トルタカプレーゼとモディカチョコレート

料理人の人柄は全て皿の上に現れると思っています。野菜もお肉も同様、育った環境から生産者の人柄まで味わいに現れているように思います。ワインのテロワールと同じです。
畜産品はデリケートなため気軽に訪問はできません。取り寄せて、料理し試食を繰り返し相性を探っていきます。
気に入っているお肉の中から今回は、奈良のお肉3種類をイタリア料理でお楽しみください。

素材の良さを引き出したイタリア料理に変えて、シェフ山嵜が表現する奈良のお肉の魅力を是非味わってみてください。

さて、どんな料理か気になる方は、続きをご覧ください。

<ソムリエ・エクセレンスの料理解説>

*ばあく豚の岩塩焼き 宇陀キノコのトリフォラート添え マントヴァソース*

奈良県五條市泉澤農園の豚肉『ばあく豚
黒豚を母系とすることできめの細かい肉質を作り、その黒豚に肉の中に霜を降らせる性質を持つ特別なデュロックという茶豚を交配した泉澤農園特有の品種です。お肉の味の決め手である餌も自家製配合。
新鮮で脂肪にクセがなく優しい甘みときめ細かい肉質、前述そのまま味わいにあらわれています。

良い素材にはシンプルに丁寧に時間をかけることが最適な調理法。
岩塩で肉を塊のままゆっくりローストして火を通しつつ水分や油分を的確に調節し、肉の旨みを凝縮していきます。優しい味わいに輪郭ができ、より一層ばあく豚の柔らかさ、旨みと甘み、しっとりとした舌触りを楽しんでいただけるでしょう。
宇陀のキノコを鍋でじっくり水分を抜いたトリフォラートと、アンチョビとケッパーのマントヴァソースがアクセントとなり、奈良の秋の山を感じる前菜です。

*宇陀牧場井上牛のラグークラッシコ タヤリン*

タヤリン(ピエモンテ州での呼び名。タリオリーニのこと)は、リストランテ イ・ルンガ(現在、二子玉川)の堀江シェフが作る際、頼まれてもいないのに無理やりその場に立ち会いました。その時は、食い入るように注視したそうです。その後試行錯誤を繰り返し、今では自分で作って自分で「旨い!!」と言えるくらいになりました。
先日「パスタはタヤリンにして欲しい」と再来店いただいたお客様に嬉しいリクエストもいただきました。ありがとうございます!

タヤリンは華奢で繊細に見えますが、卵が沢山入るため意外としっかりした歯ざわりと味わいで、ジビエのラグー(お肉のソース)なども受け止める度量が大きいパスタです。シェフは特にこのラグークラッシコがお気に入りですが、メイン料理が井上牛(7月からのスタジオーネコース全編でした)であることが多いため、なかなか登場しないスペシャルなタヤリンです。卵は奈良県産有精卵「ぴよたま」を使用しています。

宇陀牧場井上牛は、シェフが最も好んでいる奈良の牛肉。
美味(脂質・旨味・香り)を追求し続けた宇陀牧場の井上さんが作る黒毛和牛です。当代一代で築き上げました。大和牛からスタートし美味を追求するため大和牛というブランドを捨て、現在に至ります。イタリアワインの生産者と近いものが・・・DOCGの認証を捨て、IGP(地酒カテゴリー)で堂々世界に打って出る、みたいな。食べれば納得、飲めば納得です。
ラグークラッシコは、お肉のラグーでトマトが普及する以前の ”クラシック” なミートソースです。
塊のまま焼き目をつけ荒めに手切りした、 噛めば噛むほど井上牛旨みが染み出すラグークラッシコ。百聞は一食にしかず、是非ご賞味ください!

*倭鴨 桜井市九果園のサラダイチジク バルサミコソース*

その昔、ビュルゴー家の鴨で作っていた懐かしい一皿。その後、強烈な価格高騰で提供できなくなりました。
鶏といえば大和肉鶏ですが、諸事情から入手が困難になったためしばらく鶏料理が不在でした。そして出会った倭鴨!率直に、おいしいです!
倭鴨は、御所市の標高452mの葛城山麓で飼料・飼育環境・飼育日数にこだわって飼育された合鴨肉で、 脂質と赤身のバランスが絶妙、芳醇な旨みが特徴だそうで「その通りでございます」
いつもはラグーや前菜で提供していたのですが、この度、桜井市の九果園さんのイチジクと収穫がギリギリ重なったのでメイン料理にしました。
鴨は低温調理した後、炭火で仕上げます。
しっかりとした赤身の歯ごたえと、皮目の香ばしさ、噛むほどに染み出す脂の旨みが絶妙で、イチジクとバルサミコのソースが心地よくお肉に華を添えます。
敢えて野菜など添えず、お肉とソースの芳醇なハーモニーを堪能いただけるメイン料理です。

奈良の美味しさ発見!10月のスタジオーネ・コースは、奈良県産のお肉の魅力を存分に引き出した、王道イタリア料理コースで秋を先取り!
是非ご賞味ください!ご来店お待ちしております!

9月の期間限定スタジオーネ・コース『五條市益田農園の野菜』のメニューが決まりました

9月5日(火)から9月10日(日)まで期間限定でご用意いたします、五條市益田農園さんの野菜にスポットを当てた、奈良の美味しさ発見!スタジオーネ・コースの詳細が決まりました。

*マークが益田農園の野菜を使用したお料理です。

Stuzzichino~フィンガーフード Benvenuto NARAようこそ、奈良へ~
蘇蜜 二上山
ピッツァマルゲリータ
古代ひしおと大和大鉄砲豆腐のラビオリ 山椒のアクセント

Amuse~アミューズ~
今西本店奈良漬けのリゾット 大和茶のスープ ~Chagayu~

Antipasto ~第一前菜~
*とうもろこしとトリッパビアンカの前菜

Antipasto ~第二前菜~
チンクエ・フォルマ

Primo Piatto~パスタ料理~
*玉ねぎのフリッジョーネ タリアテッレ*

Second Piatto~メイン料理~
*宇陀牧場井上牛のグーラッシュ ヤマトトウキのアクセント*

Granita~プレドルチェ~
梨のグラニータ

Dolce~デザート~
*柿のアマレッティ 柿酢のジュレを添えて*

Caffe e dolcini~小菓子~
アマゾンカカオ トルタカプレーゼとモディカチョコレート

自然を感じ、観察し、専門知識と技術を用いて、人と自然が無理をしない共生を図っていく、今世界があらゆる分野で目指す持続可能を実行している農園が五條市にもありました!
素材をよりクリアに抽出したイタリア料理に変えて、シェフ山嵜が表現する野菜の魅力を是非味わってみてください。

さて、どんな料理か気になる方は、続きをご覧ください。

<ソムリエ・エクセレンスの料理解説>

*とうもろこしとトリッパビアンカの前菜*
奈良県産トウモロコシと北海道産ベビーコーンの共演が実現した。
産地ごとの収穫期のズレにより実現したコラボレーションなのだ。

以下、トウモロコシの成熟順にご説明する。

村上農場のベビーコーン、益田農園の完熟トウモロコシ、そして仕上げの自家製ポップコーンは生駒市ひらひら農園の乾燥トウモロコシ。
トウモロコシの生育過程を同時に一皿にのせて味わうことで改めて、土、水、風、太陽、人の英知の恵みを感じずにはいられない。

村上農場のベビーコーンは間引くのではなく、白いトウモロコシ”ピュアホワイト”をヤングコーン専用に栽培されたもの。ピクルスにしてみずみずしさを閉じ込めた。
益田農園のトウモロコシは、素直でまっすぐでおおらかな味わい。一粒一粒に大地の水が充満している。ピュレにすることで更に凝縮した。
ひらひら農園の乾燥トウモロコシで作るポップコーンは、一粒でお客様が不意を突かれて笑顔になる味わい。映画館でポップコーンを食べる習慣は私にはないが、このポップコーンならやってみたい。

そして全体をまとめる指揮者にはトリッパを抜擢。高品質な国内産を使用した。
主役がトリッパではなくトウモロコシというところが、野菜の美味しさを発見し引き出すことが得意である総合プロデューサー、シェフ山嵜らしい一皿。

トマトを使わず香味野菜と白ワインで煮込んだトリッパビアンカの爽やかな香りは、フレッシュなベビーコーンの香りを際立たせる。
軽やかな油脂分は旨みとなってトウモロコシの凝縮した甘みを引き立てながら全体をまとめる。
表面を程よく炙ったピクルスの酸味が口中をさっぱりとさせて、ポップコーンの香ばしさと共に焼トウモロコシを演出する。
様々なトウモロコシの共演、ブラボー!

*玉ねぎのフリッジョーネ タリアテッレ*
玉ねぎを最も生かせるイタリア料理を探して辿り着いたのが、エミリア・ロマーニャ州の農村起源のソース、フリッジョーネ。
玉ねぎを薄くスライスし、ごく少量の砂糖と粗塩に漬け込んで3時間マリネする。2時間弱火で煮た後、玉ねぎの1/4量のトマトを加え更に1時間半ほど玉ねぎが煮崩れるまで煮る、以上。

・・・・・いくら何でもこれは・・・・大量の玉ねぎを無駄にしたらどうする?しかも相当時間を割くことになる・・・・
更にいろいろなイタリア人のレシピや記事を調べてみると(Grazie, Italia! Thank you, Google翻訳!)こんな一言が。

「リッチにしたい気持ちはわかります。だけど、心配せず私たちを信じてください。シンプルだけど間違いなくオイシイから!」

シェフ山嵜は、益田農園の玉ねぎとイタリア人の言う事を信じた。ありがとう、シェフ!

今回のコースの中でも特におすすめの逸品!
益田農園の玉ねぎの特徴はまろやかな辛味。味が薄いとか、玉ねぎらしさが淡いわけではない。味わいと香り自体は間違いなく濃い。
火を入れても玉ねぎらしさが崩れることなく、香りがしっかり鼻腔を満たす。辛味が熟して角が取れまろやかになっている、という印象。いろいろな玉ねぎを有名産地から取り寄せたこともあるが、このような玉ねぎは初めてで何と説明したらよいかわからない。
ワイン用のブドウに例えると、果肉が酸味を最後まで保ちつつ時間をかけて完熟していく過程で、種までが熟し渋みが消えナッツのようになった最高の状態、これが益田農園の玉ねぎを初めて食べたときの私のイメージだ。

手打ちのタリアテッレに絡んだ益田農園の玉ねぎのフリッジョーネ
「リッチを求める気持ちはわかります。だけど、心配せず私たちを信じてください。シンプルだけど間違いなくオイシイから!ありがとうございます、益田農園さん!!」

*宇陀牧場井上牛のグーラッシュ ヤマトトウキのアクセント*

大和当帰は、セリ科の多年生植物で生薬としてに漢方薬に根が使われる。奈良県は「大和物」と呼ばれる良質な薬用作物のブランド産地で、その代表がヤマトトウキだった。現在も重要な生薬であるが中国産に依存している。栽培が最も盛んだった昭和57年頃から現在は30分の1まで激減した。
奈良県では栽培農家を増やしヤマトトウキの国内自給率を高めるため、栽培技術を改善することに成功し、根を育てるために廃棄する葉を食用として有効活用することを提唱した。その後、少しずつ栽培農家が増えている。

5年以上前になるが、イタリア料理に使えるか試して欲しいと依頼を受けたことがある。欧州各地では、同じセリ科のセイヨウトウキが各地に自生しており「天使のハーブ」と呼ばれ食材に用いられることから期待が高まった。
検証の一つの ”できるだけ沢山使用する” を実現したかったが思いのほか強い香りだったので、大量に使うならイタリアンよりアジア料理には良さそうだとお伝えした。
当時パクチーブームが起こったが、パクチー好きには是非試して欲しい。

さて、益田農園産のヤマトトウキは、今までで最も香り高く美味だった。
グーラッシュにぴったりだと思った。

グーラッシュは、ハンガリーから北イタリアに伝承した煮込み料理。スパイスやパプリカを効かせた赤ワインで牛肉のかたまりをじっくりと煮込む。
こちらも前回のブイオーネと同様、リストランテ イ・ルンガのスタジエ時代、当時セコンドだった山崎シェフに教わった。山崎シェフのスパイス使いは秀逸どころか、神がかっている。少しでも追いつこうと、教えていただいたグーラッシュを作り続けている。

大和橘のピールを削って、柑橘の香りでより一層スパイスの香りを引き立て軽やかに仕上げるボルゴ・コニシのグーラッシュに、今季は益田農園のヤマトトウキのオイルが加わった。
ヤマトトウキの爽やかな香りが清々しく、スパイスと相乗する。食後感が軽やかでスパイスとハーブによる医食同源を体感できる一皿。

*柿のアマレッティ 柿酢のジュレを添えて*

奈良県の柿の収穫量は、ここ20年変わらず和歌山県に次ぐ2位を保っている。
日頃から何とかデザートにしたいと思っていた。
柿を主役にと考えたとき、柿より強い食材や調味料は使えないと思い込んでいた。その時点でイタリアンドルチェには難しいと諦めていた。
それを覆す偶然から生まれたドルチェなのだ。

前述のヤマトトウキの数年後、新たな柿の加工品を使った試作を求められたことがある。それは柿の味も香りも全て失われ、一応食べられるオレンジ色のものだった。
「成功すれば農家さんが助かるんです」と言われたが、まずこの状態を誰も喜ばない気がする・・・・と思いつつ万が一の可能性を探るべく、シェフの試作とソムリエ山嵜の官能評価をひたすら繰り返した。

常に素材の良いところを発見し引き出すことに尽力しているため、味うんぬんよりも魂抜かれたかのような柿が不憫で非常に苦痛だった。遂に万策尽きて最後の砦、というかやったことがない ”完全に素材を覆い隠す” を試してみた。

柿の繊細さを崩さないクリームとして自家製のリコッタをベースにした。香りをアマレッティで加え、酸味をリンゴで補う。仕上げのアクセントには、シェフお気に入りにの調味料 ”柿の専門 いしい” の柿酢のジュレ。
結局、覆い隠すぞ!と言いながら思考は素材を消せないようだ。

これなら普通の柿でいける!とすぐに生の柿で試し商品化した。
そして今季は、嬉しいご縁記念に益田さんの柿からスタート。素直で自然な味わいは調理にも向いている。野菜と共通する愛のこもった「益田農園印の味」。
益田さんの野菜、ブラインドで当てられるかもしれない。
仕上げには、高貴な香りに魅了される、吉野ニッケイの葉をパウダーにして添えた。

きっかけをいただいた加工品に関しては、申し訳ないが正直に結果をお伝えした。その商品を使うことはできないけれど、柿をそのまま使っておりますのでご勘弁を。

奈良の美味しさ発見!9月のスタジオーネ・コースは、愛情たっぷり五條市益田農園さんの野菜の魅力を存分に引き出した、ボルゴ・コニシ流イタリア料理です!
是非ご賞味ください!ご来店お待ちしております!

*五條市益田農園さんの野菜を購入できる場所
   奈良のうまいものプラザ(JR奈良駅構内1F)

ITALIAN WEEK 100 参加のお知らせ

注目

今年2023年11月18日㈯~26日㈰、日本全国北海道から沖縄まで、各地域のイタリア料理店100店舗が参加する初の大型レストランイベント ”ITALIAN WEEK 100” が開催されます。

IW100ロゴ

IW100ロゴ

当イベントは『世界イタリア料理週間』の公式イベントの一つで、日本におけるイタリア料理文化の向上と普及を目的としています。

大変光栄なことに、この記念すべき第一回目にリストランテ ボルゴ・コニシも参加させていただくことになりました。ありがとうございます。
テーマである「パスタ未来形 ”アクア・ディ・ポモドーロ”」を主とした、奈良とイタリアの魅力を料理を通して体験いただける特別コースをご用意しております。

アクア・ディ・ポモドーロ

アクア・ディ・ポモドーロ

今秋は国内イタリアンを巡る、イタリアン三昧の旅を計画されてはいかがでしょう♪
是非、ご期待ください!!

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IW100特設HP  https://italianweek100.com/
「パスタ未来形」投票ページ  https://italianweek100.com/pasta/

当店の掲載ページ https://italianweek100.com/ristorante-borgo-konishi/

ボルゴ・コニシ「パスタ未来形」
”アクア・ディ・ポモドーロ” についてhttps://borgokonishi.com/blog/?p=2540

ボルゴ・コニシIW100特別コースについて https://borgokonishi.com/blog/?p=2586

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★ご予約受付中★
リストランテ ボルゴ・コニシ IW100特別コース
期間:11月18日㈯~26日*期間中無休
場所:奈良県奈良市小西町24番地フラッツ小西2F
予約方法:お電話 0742-26-5581
     公式ホームページのWEB予約ページ
     ⇒ https://res-reserve.com/restaurants/borgokonishi