2023年度『ITALIAN WEEK 100』ありがとうございました。

全国100のイタリア料理店による『ITALIAN WEEK 100 ”パスタの未来形”』

皆さんは、どんなパスタ未来形を体験しましたか?

城さんと大和橘の畑にて

城さんと大和橘の畑にて

参加店として取り組んだことで、リストランテとして今後の展望がより明確になった大変良い機会となりました。
ITALIAN WEEK 100関係者の皆さま、当店を支えてくださる全ての生産者と関連各社の皆さま、奈良県の農畜産品やフードツーリズム、食文化や水についての今と今後についてご教示くださった奈良県職員の皆さまに、この場を借りて心より感謝申し上げます。

以下、オーナーシェフ 山嵜正樹よりお礼申し上げます。

今年の初めITALIAN WEEK 100参加のお話をいただきました。奈良を全面に押し出し思う存分PRしてもよい機会をいただけると思い、即座に参加を決めました。

まず奈良県庁に問合せ、奈良県が考えるフードツーリズムやテリトーリオについて教えを請い学び、継続可能な未来を目指す生産者を探すことから始めました。

識者のお話しに加え、前田農園、益田農園、辰誠園を訪れ当主の方々より具体的なお話しを伺う機会を得ました。

そこからインスピレーションを受け、奈良に関する様々な発見と自分なりの発明を料理に変換し、お客様に追体験いただけるようなコース料理を考えました。

奈良在住のお客様からは「奈良に誇りをもてた」県外からのお客様には「奈良にまた来る理由ができた」などのお声をいただき、奈良の伝統と滋味深さを料理によりお伝えできたのではないかと嬉しく思います。

料理を通して未来を考えることは、歴史を振り返ることに始まり、何よりも未来を作る ”今” にフォーカスすることでした。
今、この瞬間の積み重ねからしか未来は生まれない、見て歩き “奈良を食べる” 体験をしたその瞬間から、心身ともに豊かになれるフードツーリズムを形にし提供する機会をいただいたことに、心より感謝申し上げます。

リストランテ ボルゴ・コニシ
オーナーシェフ 山嵜正樹

 

~感謝を込めて ITALIAN WEEK 100 特別コース 奈良の食材~

<フィンガーフード ~ようこそ奈良へ~>
御殿ハチミツ/大和郡山城 柳沢文庫
奈良漬け/奈良市 今西本店
大和大鉄砲豆腐/奈良市 三木食品
古代ひしお/奈良県醤油工業協同組合

<味間いものリゾット 大和茶のスープ ~茶粥 Chagayu~>
味間いも/磯城郡 『田原本町味間いも生産者の会』会長 西浦 正嗣 様
米(2022年産をもって販売終了)/磯城郡田原本町 株式会社鎌田ファーム
大和茶/奈良市 田村青芳園茶舗
*参考文献 『茶粥・茶飯・奈良茶碗 全国に伝播した「奈良茶」の秘密』
鹿谷 勲 著 淡交社

<ボスコ・ディ・ブロッコリー>
ブロッコリー/五條市 益田農園

<アクア・ディ・ポモドーロ>
トマト/奈良市 前田農園
大和橘/大和郡山市 なら橘プロジェクト

<ボリートミスト ~大和 YAMATO~>
倭鴨/御所市 鴨重
ばあく豚/五條市 ばあく(泉澤農園)
井上牛/宇陀市 宇陀牧場
梅/宇陀郡曽爾村 曽爾村農林業公社
吉野葛/奈良市 千代乃舎竹村

<桂のリーフティーのグラニータとヘーゼルナッツ ~クロッカンテ~>
桂の葉/奈良市小西町

<柿のアマレッティ 柿酢のジュレと吉野ニッケイを添えて>
柿/吉野郡下市町 辰誠園
柿酢/五條市 柿の専門
吉野ニッケイ/奈良市 結月

<小菓子>
ストライプペポの種/奈良県農業研究開発センター

<パン>
大和橘の花の酵母/奈良県産業振興総合センター

 

《 SPECIAL THANKS 》
イタリアンウィーク100 事務局 吉田 実和 様(株式会社veritaヴェリタ
ITALIAN WEEK 100 ディレクター 池田 匡克 様
アマゾンカカオ/長野県軽井沢 ラ・カーサ・ディ・テツオ オオタ
チーズ/京都市烏丸御池 フロマージュ ドゥ ミテス
オリーブオイル/神奈川県鎌倉市 オリーブオイル専門店ヒナタノ
奈良県豊かな食と農の振興課
奈良県産業政策課
なら食と農の魅力創造国際大学校
奈良のうまいものプラザ
飯田徹写真事務所

広報PR(五十音順): ETSUKO 柴 美木 多分日刊梅ぽすと Chiho

 

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毎日の小さな選択が未来を創造する
リストランテ ボルゴ・コニシは
心と体が豊かになる未来に向かって選択を続けます
2000年前から変わらない風景の前で山の辺の道沿いにある大和橘畑を見下ろして

2000年前から変わらない風景の前で山の辺の道沿いにある大和橘畑を見下ろして

吉野下市町 辰誠園と五條市 益田農園を訪ねました

ITALIAN WEEK 100 ”パスタの未来形” 『アクア・ディ・ポモドーロ』を主役とした特別コースでは、奈良の未来の水をテーマにするとともに、奈良とイタリアの食文化の融合を試みた。

レストランで各地地元の食材を使うということはもはや当たり前の昨今、日本風にアレンジするということでもなく、奈良で過ごす料理人 山嵜正樹を介して生まれたイタリア料理に表した感動を、奈良を食べる体験により皆さまと共有できればと願う。
100店のイタリア料理店が100人のシェフを介して、日本全国の11月の食材を一斉にお皿にのせる、つくづく画期的なイベントだと感動している。
この度は、参加させていただき心より感謝申し上げます。

肝となった前田農園さんのトマトから生まれた、ボルゴ・コニシの『パスタの未来形』アクア・ディ・ポモドーロ。前田さんのトマトとの出会いからイベント開催までの間、コース料理としての前後を支える11月の奈良の大地の水の恵みを象徴する、素晴らしい食材に恵まれた。

その中から9月に訪れた吉野下市町 辰誠園と五條市 益田農園をご紹介する。

奈良市から車で1時間半、まずは念願だった五條市役所横の”柿の専門 いしい”さんが運営するにぎわい棟にて柿尽くしランチ♪

カッキー

にぎわい棟

にぎわい棟

KAKIHAうどん 柿の葉寿司セット

KAKIHAうどん 柿の葉寿司セット

いしいさんの柿酢は、今やボルゴ・コニシの料理に無くてはならない存在。リコッタを作る時などにも使う。
今回のIW00特別コースでは最後を飾る、辰誠園さんの柿のドルチェにジュレにして添える。

柿尽くしランチで大満足の後、辰誠園さんへGO!五條市役所を出てあっという間に山道に入った。山は深く美しい。
しばらく行くと車がひっくり返るのではないかと思うような急勾配を上って直後、相当鋭角なカーブを下ると突然立派な門柱、辰誠園さんに到着した。ちなみにレンタカーだが、毎回カーナビの進化ぶりに驚かされる。

居間でお話を伺った。サラリーマンだった辰巳さんは、家業を継ぐことを決心した。現在、柿、梨、さくらんぼを生産されている。
その昔、奈良県でさくらんぼの生産者を増やそうという取り組みがあった初期から、唯一成功し生産を続けている生産者だ。いずれの果物も樹上完熟で生産量が限られることから直売のみ。長年のお客様へ毎年お届けするだけで精一杯。
辰誠園さんの果物を一口食べれば納得である。

伺う前に梨を送っていただいた。梨の個性である見た目と食感に表れたひと粒ひと粒の果肉が微細で、各粒の表皮(というかは、わかりません)が薄く均一に隅々まで綺麗に並んでいてそれぞれが美しい果汁をたっぷり蓄えている。間違いなく香りも味も梨だが、梨とは思えないシルキーな口当たり。エレガントな味わいと相まって気品さえ感じる。
最も好きな果物は梨である、と梨を見かけるたびに言い切るシェフ山嵜は絶句していた。

家業を継ぐなど頭になかったため、ほぼ一からの出発。まずは、ご近所付き合いから。そこには独特な古いしきたりに窮屈さを感じるかもしれないが、山深い過酷な自然の中で人々が共に生きるために積み重ねた、人間の英知を感じた。山で学んだことは街の生活にも活かせるが、街の生活しか知らなければ山では暮らせない、人々のつながりも同じなのかもしれない。

今年は暑く栽培にとても苦労したこと、そして年々難しくなっていること、それでも長年のお客様が待ってくださっているから頑張れる。お話を伺いながらいただいている梨とリンゴ(これまた凄い!!)に時々「う、旨っ!!!!」と思わず叫びそうになるのを抑えつつ、なんとか作り続けて欲しい!!!と願わずにはいられなかった。

今までなかった現象も。
アジアから日本の友人を介してやって来て突然門を叩く外国人御一行様。いくらでも払うからと言われても、無いものは無い。なんとか少しお出ししたら瞬く間に完食し、美味しかった!!!と大喜びで去った、なんてことも。SNSで見て美味しそうだったから、だそうだ。お目が高い!

さぁ、いよいよ畑へと思いきや「お見せするような畑はないのですよ」と照れたようにおっしゃって指さされたその先には、梨の木も柿の木も、元からそこにあったかのような形で山の斜面に生えていた。
山野草(雑草という言葉に抵抗を感じ困っていたところ、お客様に教えていただいた素晴らしい呼び名!)はそのままに畑内を歩き、観察し、感じ、見守り、樹上で完熟するまでサポートする。
ご本人もおっしゃる通り、今まで見た柿園とは全く違う景色だが、放っているように見えて放置どころか一日中畑の中で仕事をしていることがわかるような、木の周りの山野草さえ絵になる畑だった。
そのことは辰巳さんの作った果物が証明している。

ご子息は農学を修められ、また昆虫を専門とされており、現在奈良県の農産に携わるお仕事をされている。息子さんのアドバイスなども参考にしつつ、山野草と昆虫の正しい生態系による農法を取り入れている。

「今年の柿は難しいかも・・・暑すぎて現在(9月中旬)心配なくらい先行き不透明なんです」と11月の出荷どころか2023年の出荷ができるかどうか、ということだったが、11月中旬目一杯果汁を蓄えた富有柿が届いた!!

食べてみてまたもや絶句。樹上完熟のためお早目に、とのことだが日ごとにポテンシャルの高さを感じる。ゆっくりと確実に追熟していく。まだ熟す余地があったのかと驚いた。
入荷から2週間たった現在、ドルチェの柿のアマレッティに最も理想的な状態だ。

高品質なチーズやワインと同じように感じた。
生産者からバトンを渡された後、適切に環境を整えて見守るだけで最後まで迷わず熟成していく。
出荷までに強くたくましく育ち、自立できる安定した品質まで成長しているからだろうと思っている。
そこから伝わる生命力にただただ感謝するばかりだ。

辰誠園さんを知ったきっかけは息子さんとの出会いだったが、果樹園のご子息と知らず味覚の良さから「お好きな柿農園はありますか?」と伺った際、「うちの柿です。特に生産者の個性が現れる富有柿は日本一だと思います」と即答断言されたことを頼もしく思い出した。
今回、ITALIAN WEEK 100のコースで県内外のお客様に広くご紹介できたことを大変光栄に思う。見た目の美しさと気品溢れる柿の味わいに、大変ご好評をいただいた。
辰巳さん、本当にありがとうございました。

辰巳さんご夫妻と

辰巳さんご夫妻と

お次は車で十数分の五條市 益田農園さんへ。
途中、所要時間と場所がわからず訪問を断念していた、へいばらのレモングラス畑を偶然発見し大興奮!!どなたもいらっしゃらなかったので残念だった。
美味しいハーブティをいつもありがとうございます!!(畑に向かって愛を叫ぶ)

店頭で強烈に美味しい益田印ブロッコリーに出会ってから、キャベツ、玉ねぎ、トウモロコシ、大和トウキ、柿、と全益田印を制覇している追っかけファンとしては、この日を待ちに待っていた!!

出迎えてくださったのは益田農園のホームページと全く同じ、満面の笑みをたたえた益田さん。ただにこにこと普通にお話をされているのだが、なぜか周りの山から笑い声がこだまとなって聞こえてくるような気がして仕方がない。つい私も笑ってしまう。
奈良市に帰ってその後も、落花生、もものすけ(カブ)、あんぽ柿、と追っかけを続けているが、お会いしてからは益田印に触れるたび五條の山のてっぺんに大きく浮かぶ益田さんの笑顔が脳裏によみがえる。そんな景色は決して見ていないのだが。

益田さんのブロッコリーによってボスコ・ディ・ブロッコリーが遂に本当の意味で完成したこと、そのブロッコリーがいかに素晴らしいか、そして益田さんにどうしてもお会いしたいと思って来たことを伝えると、とても言いにくそうに「そんなに思って来てくれて申し訳ないんだけど・・・ブロッコリー植えたのは、全てキャベツのためで・・・ほんと遠くまで来てもらってすみません」(ニコニコ)

益田さんの発見はこうだ。
キャベツは重い、確かに益田さんのキャベツはとても重い、収穫の際は畝の間にトラックを入れたい、そうすればトラックの荷台にキャベツを載せながら収穫できる、しかしトラックのために1畝無駄にするのがもったいない、キャベツより収穫が早くできる野菜は?キャベツの一種で丁度いい野菜があった、それがブロッコリー!
「すみません。どうしてあんな美味しいブロッコリーができるんですか?と言われてもわからないです。普通のことしかやってないしな~、なんやろ?次からちゃんと考えてやってみます、ワッハッハ」(私達もワッハッハ)

私たちは訪ねる以前から、それが益田さんの凄いところだと思って伺ったので逆に恐縮した。益田さんが作るいずれの野菜からも、益田さんと大地と植物が対話し協力してできたのだと感じる。3者いずれも無理をしていない。味わいに濁りが一切ない。
益田さんは特別なことは何もしていない、と思っていらっしゃるが前述のように、作物と大地とずっと対話をして収穫まで共同制作をされているのだ。
土地ごと、作物ごとの細やかな独自の対処方が、各生産者ごとにあると感じるが、対処と工夫が無限に広がるため最低限のルール以外は決まった方法などない。言語化が困難になるのは当然だ。料理のレシピはあっても行間まで教えることは困難であるように。

野菜が私たちに味わいで伝えたように、畑はそのことを言語化していた。

益田農園キャベツ畑

益田農園キャベツ畑

広大な畑は美しく、畑を囲む森林からも生命力を感じる。そして山から笑い声が。幻聴?
柵で囲ってあるがイノシシや鹿が増えているそうだ。
「お互い生きるため本気です。できるだけ未然に防ぐけど、やむを得ない場合もある」駆除のため狩猟免許を取った。

山の上の方の日当たりの良い畑と、森林に囲まれた別の畑では、同時に植えたキャベツの生育状態が全く異なる。後者は随分小ぶりで生育が遅れているようだが、いざというときまでキャベツの好きにさせておく方針のようだ。その時の対処法はいくつか益田さんの頭の中にある。
畑とキャベツの力を最後まで信じて待つ。

大和トウキも素晴らしい。咲き始めた花の香りがそこかしこに漂っている。

益田農園 大和トウキ畑

益田農園 大和トウキ畑

益田さんと大和トウキ畑にて

益田さんと大和トウキ畑にて

県のプロジェクトに賛同して毎年育てているが、今のところ相変わらず中国産との価格競争に勝てず製薬企業も購入してくれないため収支が合わず、存続が難しいとのこと。
当店も、漢方用に根を育てるため葉を食用にするプロジェクトの当初に関わったが、独特な香りが難しいと感じている。
ただ、今までの中で増田農園の大和トウキが最も食味が良い。グーラッシュに添えると完成度が上がる。やっとイタリア料理に活かせて大変嬉しい。

落花生も元気いっぱいだ。

益田さん 落花生畑にて

益田さん 落花生畑にて

「まだ若いけど食べられるし、逆にこの(若い)状態で売ってないから一本持って帰ってみる?」と抜いてみたら思わず笑うくらいたわわに実がなっていた。

益田さんの落花生

益田さんの落花生

なんと大きい枝!と騒いでいたら「あれ?半分やな。これもう半分ね。1本分持って帰ってよ」
大きい!何?このサイズ!育ちすぎ!面白すぎ!

益田印落花生一本分収穫の図

益田印落花生一本分収穫の図

帰りに凍らせた柿を、すぐに食べるようにといただいた。まるで干し柿のような熟柿。糖度が高いため半凍りで、あの美味しさは一度食べたら忘れられない。
「また来てくださいね!」と見送ってくださった増田さんの笑顔と相まって、美味しいと言うために引き返しそうになった。

翌朝、枝から外し選別した落花生は、増田さんがおっしゃっていた通りまだ若く、爽やかな青さと僅かな渋みが印象的だった。その後、完熟し店頭に並んだ益田印の落花生を購入したことは言うまでもない。

奈良って、日本って本当に素晴らしいと改めて思う旅となりました。
辰巳さん、益田さん、お忙しい中お時間をいただきパワーをいただき、本当にありがとうございました。

益田農園のヤマトトウキの花

益田農園のヤマトトウキの花

2023年度『ITALIAN WEEK 100』パスタの未来形”アクア・ディ・ポモドーロ”のトマト生産者、奈良市前田農園さんをご紹介します

11月18日㈯~26日㈰、日本全国北海道から沖縄まで、各地域のイタリア料理店100店舗にて一斉に特別メニューが振る舞われる、大型レストランイベント ”ITALIAN WEEK 100” テーマは『パスタの未来形』
参加の打診をいただいた年始、すぐに閃いたテーマ ”水” と未来永劫イタリア料理を最も象徴すると考えた ”トマト” 

そして生まれた、アクア・ディ・ポモドーロ

前田農園のトマトに出会うまでは、イタリア産のできるだけ手を加えていない瓶詰や缶詰のクラッシュトマト、ドライトマトなどを数種ブレンドし、生のトマトを加えたりしながらトマトソースを作っていた。

改めて探してみると、奈良市に味よし品質よし且つ持続可能を地で行くトマト専業農家さん在り、との情報で2月20日前田農園さんを訪ねた。

ご紹介いただいたものの2月、しかも奈良は極寒。ところがトマトについてよく調べてみると味の旬は3月と判明した。ちなみに夏は収穫の旬。
イタリアでは、料理に使うトマトは旬だけ食べるというより加工保存し翌年の収穫まで年間を通して消費していくため、3月の味の旬にしっかり蓄えておけるという、理想的なタイミングでの出会いだった。

奈良市前田農園にて前田さんと

奈良市前田農園にて前田さんと

イチゴ農家に囲まれた前田農園さんも代々イチゴ農家だった。トマト専門へと大きく舵を切ったのは、3代目である当代の前田伸一さんだ。
「みんなに不思議がられ、無理だと言われ、迷惑もかけた。でも、同じくらい助けてもらった。」優しく強いまなざしから、生まれ育った土地を愛する人の信念が垣間見られる。

現在、前田さん家族とパートさんも合わせ10名ほどで20基のハウスを管理する。当代指揮の元、栽培から袋詰めまで女性陣の細やかな心配りが感じられるトマトだ。桃太郎トマト「大和の恵」とフルーツトマト「あかつきトマト」の2種を生産販売している。
枝で完熟させてから収穫するため、自分たちで納品できる距離と数量を徹底している。そのことが高品質を保つことに繋がっている。

収穫期は2月から7月。真夏は太陽熱を利用してハウス内の土を殺菌し土作りを行う。たい肥は自家製にチャレンジしつつも、「餅は餅屋」という考えからプロの作った優良なものを使用している。

桃太郎の品種に関して生産量が落ち着いてきていたが、新たな害虫が目立つようになった。九州に生息する害虫が数年前から奈良を含め他府県で見られるようになったのだ。
この害虫に対処した新桃太郎が現れたが、以前の桃太郎より非協力的で生産者泣かせ。「俺は俺」と我が道をいく品種。
それでも以前の品種はこの新桃太郎に取って代わられている。なんとかご機嫌を伺いながら「二人三脚でやっていくしかない」と前田さん。
確実に困っているのだが、どこか楽しんでいるようにも見受けられる。蓄積した技術、知識、経験豊富ゆえの更なるチャレンジ精神。トマトも安心して身を任せ伸び伸びと育つのだろう。

ハウス内へご案内いただいた。

ビニールハウスは二重構造で外側が紫外線カットになっているため、虫にとってハウス内は暗黒世界だ。そうとは思えない日光の熱を感じる明るさ。やはり多少の日焼けは免れないとのこと、残念。
暗黒世界となると蜂による交配はできないが、害虫の侵入を防ぎ減農薬を優先している。害虫を極力入れないとなると、気温調節が問題となる。
細かい設定ができるタイマー機能を使って24時間のこまめな気温調節と扇風機による空気循環により、急な気温変化の心配がない上、トマトの生育に適した乾燥環境を実現した。以前は、天候の急変が心配になると夜中でも確認に行っていたそうだ。
作業の軽減は効率化にもつながり、結果、家業として持続可能となる。

土壌にも工夫が施されている。盆地である奈良の元来水田だった土地をトマトに最適な枯れた土壌にするため、ナスに接ぎ木してトマト自体は水を吸わないようにしている。水は井戸水をドリップで枯れない程度にごく少量与える。

前田さんが栽培する「大和の恵」と「あかつきトマト」はいずれも桃太郎トマト。同じ品種を土と液肥の違いによりハウスを別々にして作り分けている。

フルーツトマトに仕立てる「あかつきトマト」には「大和の恵」より濃度の濃い液肥を与える。液肥でトマトの濃い味が作られるわけではなく、濃度を濃くして植物に水を吸わせないようにする。カルピスの原液が飲みにくいのと同じだ。

トマトは水が足らず空気中の水分まで得ようとして茎やへた、実にも産毛を生やす。前田さんのトマトには茎から葉っぱまで全てにびっしりと産毛が生えていた。ものすごい生命力だ。息遣い(光合成)の音さえ聞こえてきそう。産毛はトマトが熟しても消えない。

奈良市前田農園にて

奈良市前田農園にて

株の仕立ては、全国一のトマト産地である九州に見学に行き思いついた独自の方法で、枝を斜めに誘導する。できるだけ茎を長く伸ばし収量を上げることが可能となり、収穫する位置を低く保てることで作業が楽になり効率も上がる。

奈良市前田農園のトマトの仕立て

奈良市前田農園のトマトの仕立て

ハウス内の隅々まで清潔で手入れが行き届いている。トマトがとても心地よく過ごしていることが感じられる。

前田さんは親世代から受け継いだ全てに感謝しつつ、古きものはなくし良いものだけを引継ぎたいと強い意志で語った。
中でも目の前で増えていく耕作放棄地は、待ったなしの状況だと危惧する。生まれ育った里山を守るため、行政にも積極的に協力し耕作放棄地の区画整理や共同生産を提案、学校では体験学習など定期的に行っている。

「イチゴからトマトへ転換し多くの人に助けられた。恩返しをできるだけしたい。せめて孫の代までは自分にできることがある」

前田農園は、娘さんご夫婦が後継者として活動を始めている。

前田さんのトマトを初めて食べたとき、歓喜した。体中の細胞が欲し、みるみる吸収していく感覚。一度食べたら忘れられない味わい。
前田農園のスタッフの皆さまが口々にするのは「前田さんのトマトが美味しすぎて、働かせてもらって10年以上になります」中には20年なんて方も!!「いろいろな年(の味)があるけど本当に美味しい!毎日食べてます!」

収穫のお忙しい中、前田さんには貴重なお時間をいただき、飲食業に携わる上で今後の指針となるような貴重なお話を伺いました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。

ちなみに、ワインのインポーターをしているイタリア人に味見をしていただいたところ「日本で、奈良で、こんな美味しいトマトが穫れるとは、心から驚いている」
味見をしていただいたのは7月。前述の通り収穫の旬の時期だが、彼は3月の味の旬に収穫したトマトで作ったソースだとまで言い当てた。
更に、7月でこの品質だとしたらイタリアのトマトより凄いということになるが、3月なら多少納得できる、ただ、日本でここまでのトマトには出会ったことがない、しかも奈良市とは信じられない、と驚きを隠せないようだった。

私も驚きを隠せなかった、彼の凄すぎるテイスティング能力!!
彼の正体は、トマト産地で有名なプーリア州のトマト農家のご子息だそうで、インポーターをする以前、イタリアでは長らく星付きレストランでソムリエの経験があり、このテイスティング能力によりシェフから絶大な信用を得て、共に新作料理の完成にも携わっていたそうだ。
その後、料理とワインのペアリングについて、彼の持論を聞きまくったことは言うまでもない。そして、彼が輸入するワインを購入した。

この素晴らしい前田農園のトマトの純粋な ”水” を抽出した、リストランテ ボルゴ・コニシのパスタの未来形『アクア・ディ・ポモドーロ
11月18日(土)いよいよリリースです!!お楽しみに!!

アクア・ディ・ポモドーロ

アクア・ディ・ポモドーロ

2023年度 IW100『パスタ未来形』”アクア・ディ・ポモドーロ”について解説

2023年度 ITALIAN WEEK 100『パスタ未来形』についてご紹介いたします。

<山嵜正樹の考え>
料理を考案する際、私が最も大切にしていることは「また食べたいかどうか」
リストランテなのでケではなくハレではあるが、華美で稀少でごく一部の人が味わえるような料理がハレだと思う方もいらっしゃるでしょう。
私が提唱するのは、プロフェッショナルな料理人として知識と技術と時間をかけた家庭では味わえないお料理を家族と仲間と、近所で旅先で味わいリラックスして楽しむ、皆さまの日常のすぐ近くに寄り添う、何度でもどなたでも訪れることができるリストランテです。

その上で今回のIW100のテーマ『パスタ未来形』を考えたとき、未来へ残したいものとして真っ先に浮かんだ “水” 
地球上のあらゆる生命体の未来に欠かせない清らかな水をテーマにしました。

中でも人間が ”そのまま飲める水” は限られており、飲める水にするため植物や野菜の力を借りています。そのままでは飲めない水を、野菜に吸収してもらい、動物に植物を食べることで体に蓄えてもらい、調理してそれらの水をいただいています。

人は自然と共にあります。水は未来からの借り物です。水は地球の歴史を地層として記録していきます。
今夏、地質学の専門家たちにより、46億年の地球の歴史の上で人類の痕跡が残る時代を区分する、新たな地質年代「人新世」(じんしんせい、または、ひとしんせい)を設けることが国際学会に提案されました。
「人新世」は、現在の「完新世」に続く新しい地質年代の区分として2009年から検討されており、始まりは1950年ごろを採用するとされています。
この時期、世界の人口やプラスチック、コンクリートなどの人工物の生産量が爆発的に増えており、50年代に急増した核実験によるプルトニウムも世界中の地層や氷床に既に ”記録” されています。
”人類の痕跡が残る時代” が地球歴史上前代未聞の ”欲望と傲慢に満ちた恥ずかしい地層” として積もりつつあります。ちなみに1950年代までは人類の理性がぎりぎり働いていた時代で、その後タガが外れ現代に至るということです。

私はこのことを知り驚愕しました。
私たち一人一人にできることは僅かであっても、今どう過ごすか、例えば水をどう考えるかで未来が変わるといえるでしょう。誰も未来の水を汚したくはないと思います。

植物の力を借りて濾過された大地の水の恵みをいただくパスタが、“アクア・ディ・ポモドーロ” です。未来へ残したい美しい水への想いを表しました。

繰り返しになりますが、水はあらゆる生命の命を育みます。人は飲料としての水の他に、農作物へと形を変えることでも水を摂取しています。
中でもイタリアで長い年月をかけて食用として開発されたトマトは日本にも定着し、イタリア料理と共に広まりました。トマトから抽出したクリアな水に未来への想いを託しました。

トマトの水に華を添え未来へと誘うもう一つの植物 “大和橘”
古事記に“非時香果”(ときじくのかぐのこのみ)として記されている大和橘は、万葉集の多くの歌にも詠まれている日本固有の柑橘です。現代の奈良人により今、絶滅の危機を乗り越えようとしています。

可憐な大和橘の芳しい香りが、大地の未来を見据えた農業を行う奈良市前田農園のトマトと共に未来につながる豊かな自然の大切さを想起させてくれます。

『人は自然と共にある』

奈良に暮らし、日々イタリアの伝統と文化に思いを馳せる中で感じる、自然への敬意と感謝から素直に導き出した“アクア・ディ・ポモドーロ”
料理という最も平和的な形で、多くの皆様に奈良の自然の懐の深さをお届けできることを嬉しく思います。

ソムリエ協会機関紙『Sommelier』”石田 博のペアリング探訪記” に掲載されました

ソムリエ協会機関紙『Sommelier』(2022.11.NO189)のソムリエ協会副会長 石田博氏による連載 ”石田 博のペアリング探訪記 Series4” に掲載されました。

ソムリエ・エクセレンス 山嵜愛子の仕事における思想と流儀について取材をしていただくという、大変な幸運に恵まれました。石田副会長には、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

取材に向けての準備、自分の仕事の振り返り、そして取材当日、とても充実した楽しく貴重な時間でした。今でも鮮明に心に残っています。
掲載記事の最後、”取材を終えて” では大変励みになるお言葉をいただきましたので、僭越ながらご紹介させていただきます。

誰に師事したかではなく、どれだけ身につけたか、山嵜シェフが
二人の師匠から愚直に吸収したことを4皿の料理が見事に表
していた。一切の迷いがない料理は山嵜シェフの研鑽というフ
レームに正しく収まっている。取材の数日前に送られてきた資料には料理の詳細、ストーリー、ワインのテクニカル情報、ペアリングのアプローチが丁寧に記されていた。ソムリエ・エクセレンスの名に相応しい、まさに卓越した仕事だ。
「足を伸ばしても訪れるべきリストランテ」である。

このお言葉に恥じないよう、今後とも積み重ねを大切に日々精進してまいります。

第12回全国イタリア料理コンクールで優勝しました

2021年11月25日㈭東京で開催された在日イタリア商工会議所主催『第12回全国イタリア料理コンクール』にて優勝、及びJapan Olive Oil Prize賞(オリーブオイルの使い方が最も優れていたシェフに贈られる賞)をダブル受賞いたしました。

テーマは「お米料理」出品作品は『栗とラルドのリゾット 大和橘の香り』

コンクールの審査委員長であるアルマーニ/リストランテ銀座 エグゼクティブシェフ カルミネ・アマランテ氏から下記のコメントをいただきました。

”イタリア料理の大切なことは、自分の創造した料理を自分の独自の芸術作品として誇りを持ち、常にテーマやコンセプトにこだわって、自分自身の言葉で語ることができる正真正銘のイタリア料理を作ることだ。今回は、甲乙つけがたい若手のイタリアシェフたちの熱い戦いであった。いろいろな工夫を凝らしたものも多かったが、王道のリゾットのスタイルを独自のセンスで際立っていた山嵜シェフに栄冠を与えた”

審査委員長 アルマーニ/リストランテ銀座 エグゼクティブシェフ 
カルミネ・アマランテ氏と

日々試行錯誤し積み上げてきたことをイタリア人のトップシェフから評価いただいたことで、自信へとつながり指針となりました。心より感謝申し上げます。

優勝の副賞として、アルマーニ/リストランテ銀座で1週間の研修を受けることになりました。短い期間ですがアマランテシェフの料理哲学を通して、イタリア料理の本質を垣間見たいと思っています。

*研修期間中2022年3月1日㈫から10日㈭まで、臨時休業致します。

食品展示会『プレミオアッチ2019』の第二回イタリア料理コンテストで3位入賞いたしました

10月9日㈬に東京都立産業貿易センター台東館で行われました、(一社)日本イタリア料理協会およびイタリア大使館貿易促進部主催の食品展示会『プレミオアッチ2019』のイタリア料理コンテストの決勝戦に出場いたしました。

103名の応募の中から6名が決勝に進出し、 リストランテ ボルゴ・コニシ  オーナーシェフ山嵜正樹は、3位に選ばれました。

以下、山嵜正樹より感謝の言葉を述べさせていただきます。

”この度は、プレミオアッチ2019にて3位入賞をいただき、誠にありがとうございます。審査委員長のラ・ベットラ シェフ 落合務氏をはじめ、 イタリア大使館 貿易促進部 部長 アリスティデ・マルテッリーニ氏、 BU Cheese Bar シェフ シモーネ・ブージ氏、 ㈱クアトロヴィーニ代表取締役 永瀬 喜洋氏に自分の料理を評価いただき大変光栄に存じます。

今大会のテーマは『イタリア産チーズ』で、イタリアを感じられるかが最も大切な審査基準でした。私が日頃大切に考えている独創的でありながらイタリアの郷土料理をベースにしたどこか懐かしさを感じさせる一皿を5種のチーズで表現しました。

出展料理の前菜『Cinque Forma チンクエ・フォルマ』です。


湧きあがるミルクの泉をイメージしました。
5種のイタリアチーズを使用すること、またチーズの起源が古代まで遡ることから古代ラテン語でフォルマッジョの語源である“フォルマ”を用い、メニュー名は『チンクエ・フォルマ』としました。  
ミルクがさまざまな変化や熟成を経て多種多様なチーズが生まれ、更にチーズとして変化熟成を重ねていく不思議さと、イタリアチーズならではの他の素材と合わさってこそ本領を発揮する懐の深さを表現しました。
土台はゴルゴンゾーラと焦がしハチミツのパンナコッタで、その中央をくり抜きモッツァレラとミルクのソースを中に注ぎ、バジルの香りを付けたオイルをたらします。パルミジャーノレジャーノのクロッカンテで蓋をし、ヤギのミルクのチーズ マティネとラルドを叩いたバットゥート*と、マスカルポーネとアマレッティを混ぜたものの2種のチーズをのせました。  5種のチーズを同時に食しても不思議とそれぞれがお互いを引き立てたり、アクセントになったりしながら最後まで食べ飽きない楽しい料理になりました。

2022年よりイタリアの生ハムの輸入が停止されております。またマティネの輸入が困難になったため、アバーテまたはカステルマーニョと自家製リコッタクリームを混ぜたものにレシピを変更いたしました。

審査員の皆様からは、

”これだけの細かい作業を確実に正確に素早く行う技術力が素晴らしい。イタリア料理の未来は明るい”(落合氏)

”盛り付けの美しさは秀逸で、早速妻に画像を送信した”(マルテッリーニ氏)

”5種類ものチーズを使いつつ味のまとまりを感じるということは非常に技術の高さを感じる”(ブージ氏)

”スパークリングワインと合わせれば軽やかさが出せるし、中からモッツアレラのソースが溢れ出す演出は大変楽しい。確かに前菜として仕上がっている”(永瀬氏)

壇上での調理中は、リストランテ アルポンテ シェフ 原宏治 氏に 優しく気遣いながら 調理方法についてインタビューしていただき、緊張の中で大変心強く感じました。お礼申し上げます。

このような経験とコメントを頂けること自体を大変光栄に思います。今後の励みになります。まだまだ目指すところには遠く及ばず至らない点もございますが、皆様の温かいお言葉を胸に、今後も初心忘れずより一層精進してまいる所存です。今後ともリストランテ ボルゴ・コニシをどうぞよろしくお願い申し上げます。”

シェフェスタ2018 シェフズキッチン食材生産者一覧

いよいよ明日に迫りました、コムニコXボルゴ・コニシ共演”シェフズキッチン”inシェフェスタ2018!!

予想外の天候が続く中、多くの生産者さまにご協力いただき、色とりどりの食材が揃いました!!

この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

<メインプレート>
米       大西さん(曽爾村)
サフラン    笹岡さん(宇陀市)
パセリ     寺田農園(葛城市)
きのこ     岡本さん(吉野)、上湯川きのこ生産組合(十津川)
ローズマリー  山嵜正樹(奈良市)

<バーニャカウダ>
【曾爾テロワール】
かぼちゃ“ブラックのジョー”(井上善富さん)
シカク豆(井上善富さん)
ミニトマト“ぷちぷよ”(田合林業)
なす(河合 達さん)
パプリカ(田合広司さん)

【御杖村】
サラノバレタス(山浦農園)
ほおずき(北岡すみ子さん)

【ひらひら農園(生駒市)】
ラディッシュ
にんじん
熟成じゃがいも“ノーザンルビー”

【奈良県農業研究開発センター(桜井市)】
やまと甘なんばん

【コムニコ 堀田シェフのお義父さん】
にんにく

<ブディーノ・チョコラータ>
古代醤(ひしお) 奈良県醤油工業共同組合(天理市)
大和橘      なら橘プロジェクト推進協議会(大和郡山市)

明日、県庁前奈良公園にてお待ちしております。

シェフェスタin奈良 2018 ”シェフズキッチン”に出演いたします

ボルゴ・コニシは、今年10年目を迎える奈良の食の祭典『C’festa シェフェスタ』の奈良会場にて行われる“シェフズキッチン”に出演させていただくこととなりました。出演は、9月22日土曜日、生駒市のCOMMUNICOコムニコ オーナーシェフ堀田大樹氏との共演です。

奈良の食材盛り沢山でお届けします。

メインメニュー: ¥1,800

  • ヤマトポーク脛肉の煮込み 大和橘のグレモラータ風味
  • 曽爾の米と宇陀のサフラン 奈良のさまざまな茸のリゾット
  • 奈良県産薩摩芋とローズマリーのフォカッチャ

サイドメニュー:

  • 奈良県産野菜のバーニャカウダ ¥600
  • アマゾンカカオと古代醤のブディーノチョコラータ 大和橘のコンフィ ¥600

数に限りがございますので、お早めにお越しください!!奈良公園でお待ちしております。

シェフェスタin奈良は、奈良公園県庁前、登大路園地にて、9月15日(土)~24日(月・祝)10時から17時まで開催されます。
10周年である今年の日替わりシェフのお料理が楽しめる “シェフズキッチン” は、奈良のシェフのみが参加します。普通の屋台では味わえない、シェフたちが工夫を凝らした1日限定 “アウトドアメニュー” をお楽しみください。
その他、 “料理屋の屋台” や飲み物も充実、最後はマルシェでお買い物、奈良のうまいもん大集合の10日間!晴れますように!おなかすかせて、お越しください!!

コムニコXボルゴ・コニシは、10月22日です。宜しくお願いいたします。

大和橘を植樹しました

4月2日、山の辺の道に大和橘を2本植樹しました。向かいに渋谷向山古墳、背景に植えたての桜、菜の花と雪柳に囲まれた絶景です。

収穫用なので、からたちの木に接木してあり接いだ部分を地表に出しておくことがポイントです。画像の地面から太くでている白い枝がからたちで、そこから伸びるやや細いグリーンの枝が大和橘です。

天候にも恵まれ大変楽しいひとときでした。
城さん、仲尾さん、久保田さん、お忙しい中本当にありがとうございました。

ソムリエ・エクセレンス資格を取得いたしました

2010年ソムリエ試験に合格した時点で、5年後のソムリエ・エクセレンス受験を視野に入れて参りました。そして、この度ソムリエ・エクセレンス資格を取得いたしました。数年前より難易度が上り、今年はそれを更に超える難易度でしたが、なんとか合格することができました。ありがとうございました。

ソムリエとして常に心掛けていることは、知識と好みが偏ってはいけないということ。その一つのバロメーターとして、シニアソムリエの資格取得は私にとって必須だと思いました。今回、受験してみて筆記及び実技も含め、自分の足りないところや弱いところが露わになり、大変よい経験になりました。

世界のワイン事情は日々めまぐるしく変化しています。そして、我がシェフ山嵜の料理も。その変化を楽しみながら、料理に合うイタリアワインを提案していきたいと思っています。特にここ数年、情報が世界中を飛び回るようになってから、ワインの世界でも自由な発想から新しい試みのワインが次々と生まれている印象を受けます。それでも変わらないのは、生産者の想いと、その思いの詰まったワインをきちんと届けたいという私たち売り手の想いです。

ソムリエ・エクセレンス取得はゴールではありません。やっと本当にソムリエとしてのスタートを切った、という思いです。そして、これからも変わらず日々精進、皆さまにイタリア料理とイタリアワインの楽しい世界をお伝えできればと思います。

店名変更のお知らせ

この度「ベッカン・ピアット」は2014年4月より店名を

RISTORANTE Borgo KONISHI
リストランテ ボルゴ・コニシ

に変更いたします。

2007年創業時パスタ専門店からスタートし皆さまのお力添えに恵まれ、学びのあった7年を経た今、より一層のイタリア料理の探究と啓蒙を目的とし、新たにリストランテとしてスタートすることに致しました。

Borgoとは、イタリア中世時代に城壁の外に発達した郊外地区や通りを表します。現在も、特にトスカーナにBorgoと名のつく町や通りが数多くあり、各所に当時の繫栄した名残を残しながら人々が暮らし続ける魅力的な町として存在します。

ここ小西通り周辺は、奈良時代に平城京の外壁の外側にあり「外京」(げきょう)と呼ばれていました。その後、興福寺の少し西側にあることから小西町となり、近鉄奈良駅から興福寺に通じる通りとして、小西通りと名付けられました。

奈良に住み小西町で過ごしイタリアのBorgoとの共通点を感じ、店名をリストランテ ボルゴ・コニシと致しました。伝統的なイタリア料理を誠意をもって正しく理解し、ここ奈良で新たな息吹を吹き込み現代に受け継ぐ食の文化交流を通して、奈良とイタリア文化の素晴らしさを発信する所存です。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。